風をおこす人

2015.3.28|カテゴリー「読書つれづれ」|投稿者 山口敏広

2015-03-28 16.19.35

『丸刈り奮戦中』   半田まゆみ 著   たま出版

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

2週間ほど前、KJWORKS阪神に理容師・美容師の方々が集ってくれました。「ギョウカイに夢を」と題してこのブログにも書きましたが、それは自分たちの母校を応援するムービーを撮るためでした。

 

仕掛け人である荒木さんの、業界を変えていきたいという信念、そして自分たちの母校への熱い想いを聞いたり、その時来られた方々と話したり、Facebookでつながったり、ということをしているうちに、その学校のことがとても気になってきたんです。

 

ヘアラルト阪神理容美容専門学校というその学校、撮影の時に同校のWEBサイトを見たら、頭が丸坊主の女性がおられました。「この方が校長先生ですか?」と聞いたら、「理事長です」と。

 

さらに興味が湧いてきました。この理事長、半田まゆみさんという人物に。ひとつには、卒業生にこれほど慕われる学校の秘密を知りたいこと、そしてもうひとつはそのヘアスタイルの訳を。

 

ということで早速入手したのがこの本。まさにそのままのタイトルで、読む前からワクワクです(笑)。そしてその二つの疑問は、本書を一読して大きな納得に変わったのでした。

 

私よりも5歳年上の著者が経験した、ネイティブ・アメリカンという「赤い人」との出会い。そしてそこから知った、髪というものがもつ神秘的な側面。それが大きな転換点になったことが描かれます。

 

髪を「カミ」と読むその意味、髪を伸ばすこと、切ること、解くことがもつ意味。身体と外界との境界、ハザマとしての髪に宿る「魔性」。そんな不思議な魅力に惹かれてやまない心。

 

それを知ることが出来たからこそ、大きな彼女自身のメッセージを込めて、「女の命」とも言われる髪を剃る。それは、赤い人たちへ捧げられたもの、なんですね。

 

その決意、その信念、その行動。感性を信じる心、後悔はしたくないという想い。それが半田さんのエネルギーの元であり、赤い人たちから学んだ「スピリット」なのだろう、そう感じました。

 

それがそのまま、父君のあとを継いだ彼女のおこなう学校運営に、いまも息づいている。この学校が愛される理由も、卒業生たちが熱い理由も、なんだかとても腑に落ちた次第。

 

「技術だけを学びたいのならば他の学校に行けばよい。うちへ来た限りは、スピリットのある理容師・美容師になってほしい」というのが著者の口癖だそうです。まさに、髪を切ることの意味を突き詰めた人の言葉だと思います。

 

本書を読んでみての著者の印象は、「スピリットで風を起こす人」。その風は「気風」となって、さらに豊かなスピリットある人たちを生むのでしょうね。

 

読むとご本人に会ってみたくなる、そんな一冊です。