生き続けるコトバ

2015.6.27|カテゴリー「読書つれづれ」|投稿者 山口敏広

2015-06-27 11.48.22

『これを大和言葉で言えますか?』   知的生活研究所 編   青春文庫

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

「大和言葉(やまとことば)」とは何か。それは中国から伝わった音読みの「漢語」とも、西洋から伝わった片仮名の「外来語」とも違う、日本古来からある訓読みの「和語」のことを言います。

 

本書の最初にはこんな言葉が。「美しく話す人は、さりげなく、こんな言葉を使っています。せっかく日本に生まれてきたのだから、知っておきたい言葉の数々をあなたへ」。日本語大好きの私も、そんな学びを求めて入手しました。

 

私の感覚でも、話を聞きやすい人、話がすっと耳に入ってくる人というのは、硬い漢語やよくわからない外来語よりも、やわらかな響きの和語を使っているように思います。自分もそうでありたいので、こういう本はよく読みますね。

 

本書の面白いのは、「対応表」になっていること。現代語と、それに近い意味合いの大和言葉、そしてその語源が、ジャンル分けで並んでいてわかりやすい。そしてその並びの中に、時々ハッとする「対応の妙」があったりするんです。

 

例えば「バブル」。これに相当する大和言葉は「泡沫(うたかた)」で、水に浮く泡のこと。転じてはかなく消えやすいものを表す表現であり、方丈記にもあるそうです。「泡沫の夢」などと使いますが、その共通性には驚きです。

 

というか、その大和言葉の記憶こそが「バブル」という言葉を日本に流通させたのかもしれません。他にも「コネクション」のことを「伝(つて)」というのも、とても興味深い対応の妙ですね。

 

私もまったく使ったことのない言葉も多々あって、とても勉強になります。例えば「コラボする」に相当する「催合う・最合う(もやう)」。寄り合って共同で何かをすること、あるいは物を共同で使用すること。何ともよい言葉ではありませんか。

 

「定型・ステレオタイプ」のことは「お仕着せ」。「手土産」のことは「お持たせ」。聞いた記憶、読んだ記憶はあっても、その正しい意味を理解していない言葉もたくさん。それらを噛み砕くように頭の中でおさらいするのも、また楽し。

 

「面映い(おもはゆい)」「時を得る」「玉響(たまゆら)」「朝まだき」「徒花(あだばな)」などなど、その響きの美しさ、文字にした時の美しさを再発見する言葉も数多ありました。

 

言葉の話になるといつもこのブログに書くのですが、言葉とは常に移ろいゆくもの。であるなら、先人たちから今に伝わる大和言葉とは、日本人の感性に合って永く生き続けてきた言葉なのだと言えるでしょう。

 

その重みを、そこに刻まれた変化の記憶とともに次の世代へ伝えることは、躾と同じくらい大切な大人の役目のはず。こうした和語の世界に触れるたびそう思うし、そのたび「言葉を大切に使おう」と意を新たにするのです。