この樹なんの樹

2013.8.18|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は一日、「かぐら」にて作業。ご来館のお客さまのお相手をさせていただきつつ、次の週末にお客さまへご提案する「住まいの提案」の図面をまとめる一日でした。

 

今朝、出社する前にちょっとスターバックスへ寄り道した時のこと。信号で停まった私の横に、見慣れない樹がありました。美しい紫色の花が咲き始めてきている感じで、葉の形もモミジみたいでとても美しい。

 

あれっ、こんな樹があったっけ!?よく通る道なのに、気付きませんでした。やはり花が咲くと樹の雰囲気が華やぐからか、よく目立ってくるように思いますね。

 

木の家づくりに使うのは製材された「木材」ですが、生きている「樹木」がとても好きですし、家づくりと合わせて外構計画、造園計画なども、KJWORKSの「喜ばれる暮らしの実現」には大切な要素です。樹木のことを知るのは、志事に役立ち、かつ楽しみでもあるんです。

 

こういう知らない樹木を見ると、まずしっかりと観察しておき、後で調べます。今日は車の信号待ちですからそうもいかず、慌てて写真だけ撮っておいたという次第。

 

さて、図面づくりが一段落したところで、「この樹なんの樹?」の捜索開始です。樹木などの種類を特定することを「同定(どうてい)」といいますが、植物図鑑しかなかった昔に比べ、今はWebの強力な「検索」機能があるので、同定の作業も非常にしやすくなりましたね。

 

樹木の同定のための要素は、樹形、幹の表情、葉の形、花の形や色と、いくつもあります。今回はこの写真だけからの同定ですから、見えない部分も多く、葉と花が重要なポイントです。

 

写真を拡大してよく見ると、モミジのように見えた葉っぱは、細い別々の葉が5本、モミジのように並んでいることがわかりました。これが5本セットで、一枚の葉になっている感じ。

 

複数の葉がセットで一枚の葉になるのを「複葉(ふくよう)」と言います。その中でも、このように奇数の葉が人間の指のように並ぶ形は「掌状複葉(しょうじょうふくよう)」と呼ばれています。

 

葉が掌状複葉であるのを写真から見て取った時、山口探偵は「勝った」と思いました(笑)。掌状複葉をもつ樹木は種類が少ないのです。トチノキなどもそうですが、このような細い葉の掌状複葉は、あまり知りません。きっとあまりない形なのでしょう。

 

早速Webで「掌状複葉 紫 花」と検索。そこからいくつかのサイトをたどりつつ画像を検索し、今回の同定は、当初の予測よりずいぶん短時間で完了いたしました。

 

この樹は「セイヨウニンジンボク(西洋人参木)」でした。以下、樹木のサイトから引用です。

 

セイヨウニンジンボク(西洋人参木) は、夏に枝先や葉腋から円錐花序を伸ばし、薄青紫色(or白)の小花を多数付ける、クマツヅラ科ハマゴウ属の耐寒性落葉低木です。

花はシソ科特有の唇形で、下唇は3裂しその中央の裂片が大きい。 花にはかすかな芳香があり、香料とされます。また、女性ホルモンを整える薬効があるとされます。

花名は、掌状の葉形がチョウセンニンジン(朝鮮人参、学名:Panax ginseng)に似ており、原産地が欧州であることから付けられました。

 

なるほど。別名バイテックスという、女性のホルモンバランスを整える薬効のある、ハーブの樹だったんですね。私が知らないだけで、ハーブにお詳しい方なら、きっとよく知られている樹なのでしょう。でもこれで、「夏に紫色の花が咲く、葉も美しいハーブの樹」として私の頭にインプットされましたよ。

 

街で見かけて気になった樹木を、記憶や写真を元に自分で調べてみる。そうすることで記憶はとても鮮明に定着してくれますし、何よりこういう「植物探偵」の時間は、タテヨコの直線ばかり引いている図面づくりの合間には、とてもよい頭のリフレッシュになるのですね。