ともし火の海

2014.8.8|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2014-08-07 21.09.11

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今週のお休み、用事のついでに、ある夜のイベントへと足を伸ばしてきました。少し降った雨があがった後で、とても涼しく楽しむことができたんですよ。

 

冒頭の写真がその様子。写っている動物で、なんとなく場所がおわかりですか?そう、ここは奈良公園です。8月前半の10日間、毎年恒例の「燈花会(とうかえ)」が開かれています。

 

東大寺のある奈良公園、興福寺、猿沢池などいくつものエリアに、ご覧のような筒型の灯りが、まさに数限りなく配置されています。そのぼんやりとした光を楽しむこのイベント、もう15回目だそうですよ。

 

最近は、こういう「灯り」を楽しむイベントが各地に増えてきたようですね。京都にも確か「花灯路(はなどうろ)」という名のものがあったように思います。

 

そんな中で、私はこの奈良の燈花会を好んで見に行くのですが、それには理由があります。このおびただしい数の灯りたち、これらは全て、蝋燭の火なのですよ。

 

電球の灯りを使うイベントもあるようですが、蝋燭のともし火とは、その趣きが違います。乳白色の筒の中で、灯火がゆらゆらと揺れる、その風情。これは電気では生み出せない、自然のゆらぎ。

 

しかもそのゆらぎが、数多ある灯りのひとつひとつ、違っているのです。奈良公園の芝生の上にところどころ置かれたベンチに座って、しばらくぼおっと灯り達を眺めていると、その一灯ごとのゆらぎが集まって、波のように見えてきます。

 

なんだか、自分が灯りで出来た海にいるような、そんな不思議な感覚。だんだんと体が浮き上がっていくような、そんな気すらしてくる。たくさんの人々が訪れていますが、その喧騒も聞こえなくなっていきます。

 

この燈花会で使われる蝋燭の、そのとんでもない数を考えるとき、この夏の夜の大イベントを運営しておられる方々のご苦労には、本当に頭がさがる思いですね。なにせ蝋燭です、点ける・消すだけでも、すごい作業ですから。

 

毎年、会場のあちこちに「募金箱」があります。今年も、そのNPO法人のスタッフの皆さんのご尽力に感謝して、少しでも足しに、と募金を入れてきた次第。

 

しばし幻想的な「ゆらぐ灯り」の世界に浸って、阪神移転でちょっとバタバタと乱れがちだった気持ちを落ち着けることができました。そんな癒やし効果もたっぷりの、素敵な一夜でした。

 

※なら燈花会は14日までの開催です。ご興味おありの方は、ぜひこの「ともし火の海」にダイブしてみてくださいませ(笑)。