ぴったり合わせる

2013.8.3|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日はまた、マンションにお住まいのお客さま宅へ、製作家具の据付けに行ってきました。先月、「階段の家具」と題してこのブログにも書いた、そのお宅への再訪です。

 

前回は階段でありローボードである家具、というものでしたが、実は今回が本命の「TVボード」でした。正面が長さ320センチもあるコの字型の壁の部分にぴったりと嵌め込むことを想定したものです。

 

マンションですので、完全に固定した「造付け家具」にはしにくいのですが、ただつくって置いた、というものでなく、できるだけぴったりと、造付けのように据え付けよう。そんな考えでつくったものです。

 

このマンションの床はブナ材のフローリングでした。なので、TVボードの材料もそれに合わせてブナを使いました。「フラッシュ」という、内部に骨を組んで表面に木の単板を張る、というつくりで箱をこさえています。

 

そして、カウンターにはブラックチェリーの無垢板を。ブナより少し色が濃く、なんとも言えない美しい色艶をしていますね!ブナとチェリーのこの組合せが、ちょっと私のマイブームなのです。

 

壁に囲まれたところへ家具を嵌め込む時、隙間はどうしても出てきますし、また隙間がなくては設置することそのものが出来ません。でも、ぴったりつくりたい。そういう場合に家具屋さんが使うのが「フィラー」と呼ばれるものです。フィラーは、隙間埋め、というような意味の部材です。

 

冒頭の写真はその様子がわかるように写したもの。右側の壁の足元には、少し出っぱった「幅木(はばき)」があります。その面に合わせて家具の箱をいれこみ、天板をまたぴったりと据付け、そして最後に、幅木のない壁との間にできた隙間にフィラーを詰めます。

 

フィラーの仕上げはもちろん本体と同じ。天板から一番下まで、そして家具の左右両方とも、これでぴったりと壁に吸い付くように設置できるというわけなんですね。ちなみに、これが全景です。

 

元々ある部材に色目を合わせること、そしてフィラーという造付け家具の手法を使うこと、この2つの工夫で、このマンションの部屋にぴったりの、まさに元々あったような家具として仕上げることができました。お客さまにも大変喜んでいただき、ありがたいことです。

 

今ある場所へぴったり嵌め込む。これもキッチンづくりやリフォームに通じる、ものづくりのテクニックのひとつですね。