インテリジェンスの営為

2013.12.19|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2013-12-19 11.16.20

 

『リンボウ先生の〈超〉低脂肪なる生活』   林望 著   日経ビジネス人文庫

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

最近、リンボウ先生こと林望氏の本をまとめ買いして、読み始めたのです。それも全て料理関係の本。何かの雑誌に氏が登場し、料理をつくり、そしてそれについて語るのを見て、ビビッとくるものがあって。

 

私が料理を細々とやってみるようになったのは、やはり自分の志事である「良き暮らしの実現」において、「食」というもの、そして調理や後片付けといった作業のことを少しでも実体験としてわかるように、という考えからでした。

 

もちろんその意味での役にも立っていますが、実際やってみると、段々とそこに「ものづくり」の楽しさが溢れ出してくるんですね。素材から仕上がりがイメージ出来るように、少しずつ自分の感覚が変化していくのは、とても面白いのです。

 

リンボウ先生は、日々ご家族の全ての食事をつくるそうです。食に関する著作に網羅されたその食材や調理に関する知識、思想、技術、創造の凄さたるや、読んでいて思わず唸ってしまうほど。今までほとんど読まなかった氏の本ですが、こと食生活においては、師と仰ぐべき人物かも!?そう感じたわけなのでした。

 

そしてこの本は、胆嚢炎を患ったご経験からリンボウ先生が「食生活の転換」を図り、日々実践している〈超〉低脂肪食について綴った一冊です。やせ我慢ではない、お腹いっぱい美味しく食べられる生活の実践について。

 

楽しくつくって、美味しく食べて、健康でいられる。こんなに素晴らしい食生活はありませんよね。氏が実践していることからその学びが得られたら、という思いで読み始めましたが、いや、非常にためになりました。レシピもたくさん載っていて、実用的な面でも。

 

氏は言います。「料理とはインテリジェンスの営為である」と。栄養学的バランス、色合いのバランス、味付けのバランス、歯ごたえや舌触りのバランス、それら全てに気を配りながら、ごく普通の素材を使って、安くて美味しくて低脂肪な食事をつくる。これほど知的な創造はない、と。

 

まあ、あまり大上段に構える必要はないと思いますが、でも日々のご飯を美味しく食べ、健康でいること。それが豊かな生活の基本であることは間違いないでしょう。そしてつくることの愉しみ、食べた人が笑顔になることの喜びも、豊かな暮らしの元となるものですね。

 

40歳代も後半になった私が、そこへ少しずつでも近づくための指南書のようなものだなあ。本書の読後感はそんなものでした。きっと、同世代の皆さんのお役にも立つ一冊かと思う次第です。