キッチンの想像力

2014.6.9|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2014-06-08 12.26.27

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

先日、モデルハウスにあった南部鉄器の鍋やフライパンなどを、社内の模様替えで図書館横の展示スペースに移動した、という話をここに書きました。

 

その展示スペースの「鉄鍋・フライパンフェア!」もとても良い感じなのですが、展示物がなくなって本来の姿を取り戻したモデルハウスのKJWORKSオリジナルキッチンも、久々にその雄姿を見せてくれているんです。

 

私も久しぶりにこのキッチンをまじまじと眺めましたが、やはり細かい点まで工夫されていて、あらためて「造付けの木のキッチン」のよいところを体現しているキッチンだと思いました。

 

形状は「コの字」型。手前がシンクと調理台、サイドがIHヒーター、奥がカウンターです。シンクと調理台のカウンタートップは石目調の人造大理石。でもそこから奥は、カウンター一枚分高さが下がって、ステンレスカウンターです。水と火だと、火の位置が低いほうが使いよいので、ちょうどよい按配です。

 

ツルッと広がった大きなカウンターは、お母さんとお子さんが一緒にパンづくり、お菓子づくりを楽しんでいる姿をイメージしてつくられているんですよ。スカッと気持ちがいいですね。

 

カウンターが「コの字」型に2回も曲がっているので、カウンター下の部分に「デッドスペース」が生まれがちですが、そこをキッチン専用金物を使って、上手に収納量を確保しているのもポイントです。

 

ダイニング側の表情は、向かって右側はハイチェアでお茶したり朝ごはんを食べたり、というイメージ。左側はダイニング側から使う収納になっています。こういう浅い収納も暮らしの場面では便利なものです。

 

そしてハイチェアの右側は、電話台+PCコーナー、という感じに設えられています。キッチンとこういう情報機器置場のような部分を、同じ仕様でひとつのものとしてつくることができるのも、造付家具ならでは、ですね。

 

何より一番いいと思うのは、家そのものの雰囲気に完全に馴染んでいること。築9年で、ますますその感は強くなってきています。木の家の中の、木の家具、という味わいが深まった感じ。

 

もちろん実際の暮らしの中では、キッチンは「きれいに維持するのが難しい」場所だと思います。だからと言って、非常に滞在時間の長いこの場所を、壁で隔てられた「向こう側」にしてしまうのは、「家族の時間」をそこなうこと、ではないでしょうか。

 

ここまでオープンなキッチンが全てのご家族に合うとは思いません。でも、「隠すと汚くなるから」というお考えで、このようなツルッとしたカウンターにされるお客さまも、たくさんおられるんです。

 

キッチンとは詰まるところ、「水、火、作業カウンター、収納」の集合体だと言えます。ですから、ご家族の暮らしぶりに合わせて、本来そのあり方、そのバリエーションは無限であるはずですね。

 

画一的なかたちが悪いとは言いませんが、どんな風にもつくることができる「造付キッチン」は、調理する場所、食事する場所についての、そのご家族の想像力を羽ばたかせてくれる。そう思います。

 

このモデルハウスのキッチンは、その意味でもこの変わった形が、とても刺激的でいいのですね。ご来館のお客さまから「すごいね!」というお言葉がよく聞かれるのは、キッチンはこんな形にもなるんだ!という驚きの声ではないでしょうか。

 

せっかくの注文住宅での家づくりです。調理や食事に暮らしの中で重きをおいておられる方にも、素敵な想像力の翼をさしあげることができたなら、「暮らしの実現」はもうすぐそこにあるはず。

 

久しぶりにこのモデルハウスの木のキッチンを見て、しばしそんなことを夢想していました。たくさんのお客さまに、自由な発想がいくつも埋め込まれたこの場所を、ぜひ体感していただきたいですね。