ショウブとショウキ
ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。
今日から五月ですね。GWまっただ中の今日、KJWORKSのDM「ぐっど楽暮」をお送りしている皆さまには、併せて今月号の「住まいの学校」チラシもお手元に届いたことでしょう。
やはり五月といえば「端午の節句」が真っ先に思い浮かびます。昨年は鯉のぼりを描いたのでしたが、今回の画題もやはり同じものでいくことにしました。でも、描くものはまた違ったものを。
瓦屋根に、何やら草が置かれ、軒先から垂れていますね。こういう光景を、皆さんはご覧になったことがおありでしょうか?すっかり見なくなったものの、今でも京都などでは時々目にすることができます。
これは菖蒲(しょうぶ)です。それと、一緒にくくられているのは蓬(よもぎ)なんです。どちらも邪気を祓う力をもつと言われる植物で、これを軒先に吊るすのは、そのまじないの風習が今に残るものです。
そもそも端午の節句というのは、男の子の節句というようなものではなく、田植えの前に穢れを祓うという意味合いだったそうです。そしてこの節句は別名を「菖蒲の節句」とも言うんですね。軒先の菖蒲はご覧になったことがなくても、「菖蒲湯に入る」ことはご存じの方も多いことでしょう。
それが、「菖蒲」が「尚武」と同じ読みであることや、菖蒲の葉の形が剣に似ている、というようなことから、端午は男の子の節句とされるようになったのだそうです。男の子の成長を祝い、健康を祈る節句になっていったんですね。
今回のチラシは、そんな本来の「菖蒲の節句」の風習を伝える光景を描きました。私のイメージとしてはこれは、京都の町家の玄関上の小屋根、という感じなんです。
そして、菖蒲と蓬の飾りだけでは少し寂しいので、京都の屋根といえばこれもまたよく見るものを、書き加えてみました。怖い顔で、家にやってくる魔を睨みつけている「鍾馗さん(しょうきさん)」ですね。
絵の要素、バランスをとるつもりで書き加えた鍾馗さんでしたが、はからずも「菖蒲と鍾馗」、今回のチラシの絵は、ダブルで邪気を祓う強い力をもつもののコンビとなりました。自画自賛はいけませんが、なかなか良い感じです(笑)。
このチラシが届いた方、またこのブログで目にされた方、皆さんの廻りの悪いものもすっかり祓われて、五月晴れのように清々しいお心持ちで、良き連休を過ごされますように。
※さて、住まいの学校の5月は、何と言っても11日のバス見学会。住まわれている木想家にお邪魔してお話していただくという、家づくりをお考えの方には一番ためになる、「住まい手の声」が聞ける勉強会です。まだ空きがありますので、ご興味がおありの方は、是非!
https://kjworks.co.jp/sumai/bustour0511.php