スタイルをつくる

2014.12.4|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

昨日このブログに書いた、忘年会旅行二日目に立ち寄った「出石」から、もうひとつ別の話を書かせてください。やはり出石といえばこれ、名物「出石そば」のことです。

 

今回、久しぶりに出石そばを食べました。事前に「食べログ」ランキングなどもチェックし、その日休みでない最上位の店に入ってみましたよ。「近又(きんまた)」という店でした。

 

冒頭の写真の通り、蕎麦の実を石臼で皮ごと「丸びき」にした、黒いそばです。いわゆる「蕎麦の香り」がとても強い感じ。そして、出石そばと言えば、この「小皿に分ける」というやり方がすっかり定着していますね。

 

出石そばの始まりは、18世紀初頭にさかのぼるそうです。宝永三年(一七〇六)に、信州上田から新しい当主、仙石氏を迎えた時、共にそば職人がこの地に入ったのだ、と。

 

当初はこのような小皿に盛る形式ではなかったそうですが、「出石焼」という焼きものの始まりとともに、このかたちに定まっていったということです。一人前が小皿で五つ、これが出石そばのスタイルなんですね。

 

その食べ方にもスタイルがあるようです。薬味に葱、山葵、大根おろしが付いているのはよく見かけるものですが、それに加えてここでは、山芋のすりおろしと卵が付いているんです。

 

一皿目はつゆだけで食べて、二皿目から薬味をひとつずつ加えていって食べるのだそうです。葱、山葵、とろろ、卵と。なるほど、これも五皿というスタイルに呼応して出来上がったルールなのでしょう。

 

そして、この「小皿に分ける」という方法は、岩手のわんこそばと同様、「数を競う」というスタイルをも生み出しました。今回私たちは一人十皿食べましたが、その店でも二十皿食べるとお店の「認定書」がもらえる、という楽しみがあるようでしたね。

 

単に他の地方と同じような「盛り蕎麦」や「ザル蕎麦」のようにして供していたとしたら、このような「地域の名物」にはきっと成り得なかったでしょう。出石焼の小皿5つに分けて出す、このスタイルがあってこその繁栄だと思います。

 

スタイルをつくることで、十把一絡げの横並びの列から抜け出す。一歩抜きん出て、そのオリジナリティをもつ。そのことの大切さを出石そばを食べるたびに感じますし、それは飲食業界に限ったことではないですね。

 

何事にせよ、奇抜なものが幅を利かせる事態でなければ、それぞれの個性の際立ちなどはさほど大きなものではないはず。それを際立たせて魅せる、それがスタイルというものなのでしょう。

 

KJWORKSの木の家づくりにも、スタイルはあります。しかし、それが私たちの思う通り、お客さまに届いているのか。そして、KJWORKS阪神の魅せるべきスタイルとは何か。

 

黒い蕎麦のフレーバーを楽しみつつ、久しぶりに食べたこの名物がもつスタイルから、これから私が実践すべきものを感じる。そんな出石でのお昼時だったのでした。