バイオマスの雄

2013.11.5|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は朝から、岡山県真庭市というところへ日帰り出張していました。お目当ては銘建工業株式会社さん。木を使った、いわゆる「集成材」をたくさんつくっておられる会社です。そこへの視察見学の一日でした。

 

今回の視察見学、おもなポイントは2つあったのですが、今日はその内のひとつをご紹介しましょう。銘建工業さんは非常に大きな木材加工業者さんですので、そのいくつもある工場からは、毎日ほんとうに膨大な量の「木くず」が発生するんです。

 

木くずと一言で言っても、おおきく三つに分けられます。ひとつは「端材(はざい)」。これ以上小さくできない切れっ端のことですね。そしてふたつ目は「バーク」。木の皮のことです。そして三つ目は「プレーナー屑」。色んな加工機械から出てくる、カンナ屑やおがくずなどのことですね。

 

それらの「製材」工程での木くずが、驚くなかれ、銘建工業さんでは一日に180トンも発生するのです。本来の成果品以外に生まれるこれだけの木くずを、まさに「捨てればゴミ、活かせば資源」の考え方で活かしておられる。それを今日は見に行った、というわけなのでした。

 

冒頭の写真、この巨大な機械は、その資源を活かす施設の一部なんです。これは、加工工場のあちこちで大量に発生する木くずを、同じような大きさに粉砕するための「サイロ」なんですね。その大きさたるや凄いもんです。左下に写っている木箱、これひとつがちょうど人間の背の高さと言えば、大体の大きさがご想像いただけるでしょうか。

 

さて、このサイロで均一に粉砕された木くず達はどうなるか。実はそれらは全て「エネルギー」になるのです。いわゆるバイオマス(生命由来の)エネルギーですね。木くずを燃やすことで、ひとつには暖房の熱を発し、そしてそれは並行して、発電用のエネルギーにも。

 

その木くずから生まれた熱や電力というエネルギーを、本来の木材の乾燥に使う、工場内の機械の稼働に使う、そして余剰分を電力会社に売る、という方法で、省エネ、かつ省コストになっているというわけなんですね。

 

以前は、お金を払って木くずを処分してもらい、かたやお金を払って電力を買っていた。その双方が、自家発電という方法で結びついたのですね。そのコスト削減額は年に4億円近いといいますから、とんでもない規模なのです。

 

いま、国の施策として、森林資源の有効活用は、ようやく徐々に動き始めたというところです。しかし銘建工業さんは、そのずっとずっと前から、このように「木をまるごと活かす」ということを考えてこられた。この素晴らしい成果は、今や「真庭モデル」として、全国へ大きな影響を与えつつあるんですよ。

 

森を愛し、木を愛するKJWORKSのスタッフとして、そんな素晴らしい取り組みを、それもすごく大きな規模で見られるのはとてもありがたいこと。なおかつ同社の中島社長さんが語られる「日本の森林資源を最大限活かす」というお話に、いたく感動して帰ってきたのでありました。

 

山の国、森の国、日本。戦後大規模な植林がなされたまま、森に育った今でもその価値をほとんど活かせていない日本の森には、本当はとんでもない分量、想像を絶する膨大な規模の、「木材+エネルギー」という資源が眠っているのです。

 

それを国民の幸福のために、具体的な方法を示してその活用法を模索し続けている銘建工業さん。これからは私も微力ながら、木とは、森とは、そんな素晴らしい価値をもっているものだということ、これからもっと声を上げて、皆さんにお伝えしたいと心から思った次第です。