マシンと暗号

2015.3.31|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

イミテーションゲーム

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』  モルテン・ティルドゥム監督

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

久しぶりに映画を観てきました。昨年7月の『グランド・ブダペスト・ホテル』以来でしょうか。KJWORKS阪神として芦屋に来てから初めてです。今回は私が非常に興味をもつ分野「暗号」の映画を。

 

2009年、このブログに『暗号解読』という本についての記事を書きました。この本は「暗号」の作成と解読の歴史を追ったドキュメントで、その中に第二次世界大戦中にドイツ軍が通信に使った伝説の暗号機「エニグマ」が出てきたのです。

 

そして2011年、今度はその伝説の暗号機がクリスティーズの競売にかけられたというニュースがあり、その「エニグマ」についても記事を書きました。その際に、先の本で知っていたこの暗号の解読者、アラン・チューリング博士にも触れています。

 

私が長く興味をもっていた、解読不能と言われた暗号機「エニグマ」とそれに挑んだチューリング博士の戦い。それを描いた映画がついに公開となれば、これは観ないわけにいきません。

 

書籍ではわからなかったその戦いの全貌、その凄まじさをまざまざと見せつけてくれる映像に、非常に感動しました。アラン・チューリングという一人の人間の姿は、人が騙し合うことの悲哀もまた、感じさせてくれました。

 

公開中の映画ですので、あまりネタバレはいけませんが、冒頭の写真で背を向けているのがチューリング博士。そしてその向こうに壁のように立っているのが、博士がつくった「マシン」です。

 

博士が全てを投げ打って没頭したのは、このマシンを使って、エニグマでつくられる暗号を解読するための全ての可能性を試そうという、前人未到の試みなのです。

 

その、今まで誰も想像すらしなかった発想、それこそがアラン・チューリングの天才たる所以でしょう。この「マシン」は、エニグマの解読にとどまらず、実はその後の世界を変えたと言ってもいいものになりました。

 

このマシンとは何なのか、そしてそれはどう機能し、どのように暗号が解かれたのか。それは是非、この映画をご覧になって、楽しんで下さい。私が感じたことは、「暗号といえども、通信しているのは人間である」というあたり前の事実です。

 

チューリング博士がつくったマシンがなかったら、私はいまこのブログを書くことが出来ていません。その偉大な数学者の人生と、その偉大な創造の黎明を感じ取ることができる、素晴らしい作品でした。