仕切りの文化論

2013.3.28|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家の設計士、山口です。

 

わたしは日々の志事において、家の間仕切りを考えています。「間仕切り」という言葉の中には「しきり」という語が入っているように、家の間取りとは、どことどこを仕切るか、仕切らないか、ということに他なりません。

 

でも、この本を読むと、「しきり」という言葉は、単なる建築物の平面図に必要な言葉ではなく、もっともっと広範囲な、まさにその国の、その地域の文化を規定しているような言葉であるということに気づかされます。

 

かなり広がりのある内容ですので、全ては網羅することができそうにありませんが、例えばこんなことを、この本では言っています。

 

しきりとは、遮断である。

しきりとは、防御である。

しきりとは、ブレーキである。

しきりとは、障壁である。

しきりとは、分類である。

しきりとは、オン・オフである。

しきりとは、しきたりである。

しきりとは、地と図である。

 

先日はフィンランドの文化について語った本をご紹介しましたが、これは「しきり」を媒介として日本の特徴的な文化、民族性を明らかにするという、そんな書物だと言えます。

 

家の間取りもお国によってさまざま。でもそれは、その国の文化において、その国の民族性において「何をしきるか」が表れたもの、だと考えてよさそうですね。

 

自分がやっていることを客観的に見ることができたなら、それは意識的に制御できるものになる。そのことに意識的になるかどうか、「あたり前」に飲み込まれるかどうかが、大切なのだと思います。

 

その意味において他国の文化を知ることは意味がありますし、自国の文化の特徴を炙りだしてくれるこういった書物も、非常にためになるのであります。