仕舞える椅子
ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。
今日は会議の月曜日。いくつかの会議の後、明日のイベントに備えて、会場の設営をおこないました。先ほどまでスタッフ全員で社内会議をおこなっていた場所、「多目的室」の家具をみんなで模様替えです。
社内会議の時にはキャスター付きの桧集成材テーブルが大きな「ロ」の字型に組まれているのですが、そのテーブルを全て部屋から出してしまい、そこにベンチと椅子を並べました。70人分の座席が、みるみる作られていきますよ。
さて、このズラリと並んだ椅子は、「木の家具の街」旭川のフラッグシップ企業、カンディハウス社の『ラピス』という名前のもの。成型合板を使った、美しい曲線をもつ椅子です。
いまやカンディハウスの定番とも言えるこの椅子、元々は「国際家具デザインコンペティション旭川1996」の受賞作品だったとか。毎年の受賞作品が実際に製品化されるという、若手家具作家の登竜門的なコンペティション。そこで栄冠を勝ち取った作品だそうです。
成型合板によるシンプルなかたちは、パーツを3つしか使わずにつくられています。シンプルで軽く、美しいかたち。背もたれの曲線のおかげでしょうか、座面が真っ直ぐなわりには、とても座りやすいですね。
でも、いくら多目的室が広いと言っても、こんなにたくさんの椅子、いつも並べておくことはできません。椅子の収納は難しいものですが、しかしラピスなら大丈夫。実はこの椅子の一番の特徴は、「スタッキング」が出来るということなんです。
スタッキングとは「積み重ね」のこと。椅子の上に椅子を重ねることができ、場所をとらずに仕舞っておけるデザインになっているんですね、このラピスは。
スタッキングを前提にして、なおかつこのシンプルで美しいデザイン。私もこれを、この部屋ではずっと使っていますが、なかなか飽きのこない、単純でありながら深みのある形だと思いますね。
無垢の木の家具もいいですが、成型合板という素材も、色んな家具の可能性を感じさせてくれて、とても面白いなあ。今日も椅子を並べながら、そんなことを思っていたのでした。
さて、「仕舞える椅子」ラピスを使って70もの席をつくる、そんな大人数の明日のイベントは何でしょう?
それは、年に4回の「彩都・木楽亭」であります。人気の桂吉弥さんにお越しいただいて、木の空間での落語会なんですよ。スタッフもみな楽しみにしつつ、設営に精を出したのです!