仮筋交(かりすじかい)

2013.1.21|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家の設計士、山口です。

 

昨日はバス見学会と焼き芋のことを書きましたが、午前中は現場にて、お客さまと一緒に上棟のお祝いをしていたんです。Thさん、改めまして、まことにおめでとうございます!

 

さて冒頭の写真、その上棟直後の現場を撮影したものですが、柱、梁、垂木と木材が組まれている中で、何やらナナメに張り渡された木があちこちに見えていますね。

 

これを私たちは「仮筋交(かりすじかい)」と呼んでいます。略して「かりすじ」(笑)。この材は、その名の通り、今だけある「仮のもの」なんですよ。

 

KJWORKSでは、建物を強固に固める構造用の壁、いわゆる「耐力壁(たいりょくへき)」をつくるのに、いわゆる?の形をした「筋交」は使いません。構造用パネルという面材で建物をくるんでしまって、全体で揺れに対抗する、というつくりなんです。

 

その構造用パネルに使われているのは、「MOISS(モイス)」という名の材料。これは高い強度をもちながら、水蒸気を通しやすく、壁の中の湿気を外に逃がす役割をしてくれる、優れものです。

 

そのMOISS、この写真の中でも左側に一部張られていますが、まだ外が見えている部分は、耐力壁がない、イコールまだ柱と梁だけで、フラフラしている状態、なんですね。

 

そして、構造用パネルがきっちりと張られるまでの間、建物の「たち(垂直方向の精度)」をきちんと保ってくれているのがこの仮筋交くん、というわけなんです。

 

あくまでも仮のものであり、パネルが張り終わったら取り外すものですから、仮筋交を梁や土台に留め付ける位置には気を使います。なぜなら、取り外したところには釘の跡が残るからです。

 

ですから最終的には壁の中になるところ、天井の中になるところ、を選んで留め付ける、ということになりますね。それを考えながら上手に仮筋交を張って建物を安定させるのも、大工さんの技であります。

 

ちなみに上棟式の時には、建物の四方をお清めするのにお客さまに現場内を歩いてもらうことになりますが、この仮筋交というナナメの邪魔者がいるので、少し動きにくくなってしまっています…。

 

でも、建物をしっかりと固定する大事な役割をしてくれているものですから、仮筋交くんを責めてはいけませんね。パネルが張られて彼がお役御免になるまで、しばらくは我慢、我慢、なのであります。