伝統をまもる街

2015.8.20|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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〈神々の里に平安の昔から伝わる夜神楽。片鱗だけですが、体感することができました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS 木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

昨日は別府の地獄めぐりを書きましたが、その日のうちに宮崎の高千穂町まで移動しました。所用時間は車で約2時間半。今回はマイカーなので気が楽です。

 

高千穂は、宮崎市内出身の奥さんから見ても「遠い場所」であり、「特別なところ」だそうです。確かに市内からでも同じくらいかかるし、そしてやはり地元の人も天孫降臨の地、神々の里と感じているのでしょうね。

 

高千穂神社をはじめ、神代からの歴史をもつ由緒ある神社がいくつもあります。そして今回は、平安の昔から神に捧げられてきた「夜神楽」を、少し観ることができました。

 

場所は杉の巨木に囲まれた、高千穂神社の「神楽殿」。そこで冒頭の写真のように「天岩戸の物語」についての夜神楽、そのほんの一部を実際に舞ってくださるという催し。

 

ほんの一部と言っても、四番のダイジェストで一時間くらいあったんですよ。でも本当の夜神楽は33番もあり、一番が40分かかるものも。冬の時期に、夜を徹して舞い踊られるのだそうです。

 

写真で勇ましく踊っているのは、手力雄命(たぢからおのみこと)。これは天岩戸に隠れてしまった天照大神を探している場面なんですね。

 

踊りもよかったですが、私はこの舞台上に設けられた「結界」の美しさに目を奪われました。紙を美しく切り抜いて飾り付けられた、結界の中のこの場のことを神庭(こうにわ)と呼ぶそうで、なんだかそれにも感動。

 

神の庭で、夜通しの舞を神に捧げること。その神聖さももちろんですが、今回最も感銘を受けたのは、その行為が1200年という時を経て、今もなお続いているというその事実でした。

 

それは、その行事を維持し、継承することについて、この街のすべてがひとつになっていなければ、不可能なことですよね。そのまとまりの力を、ひとは「伝統」と呼ぶのでしょう。

 

地域として、そうした大きな伝統を背負い、それを粛々と、営々と続けてきた、高千穂の街の皆さん。その大いなる営みは、そのほんの片鱗を覗いただけでも、私に痺れるような感覚をもたらしてくれたのでした。