使徒が守る社

2013.11.30|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2013-11-27 11.41.33

 

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

先日訪れた大津市坂本で、石垣以外にも印象深かったことがありますので、今日はそれにふれたいと思います。それは、紅葉の名所と言われる「日吉大社」のことです。京都からみて「鬼門」の位置にあることから、方除け、厄除けのご利益があるといわれる、由緒ある神社ですね。

 

穴太衆の石垣を見ていて、その周囲の紅葉がちょうど見頃だったので、それならちょっと日吉大社にも寄っていこうか、という気になりました。もちろん紅葉も良かったのですが、もうひとつ、ここならではの面白いものが見られたのでした。

 

冒頭の写真がそれ。重要文化財に指定されている「西本宮楼門」の一部ですが、ほら、その四隅に、可愛らしいお猿さんがいるんですよ。「よっこいしょ!」とばかりに、屋根を支えています。どのお猿さんも違う格好で頑張っている姿に、つい頬が緩んでしまいますね。

 

私も社寺仏閣の建築を色々と見ていますが、こんな風に「お猿さんが支える」屋根は初めて見ます。同神社ではこれを「棟持猿(むなもちざる)」と言うのだそうですが、いや、珍しいです。

 

歴史ある松尾大社ではありますが、私は不勉強にしてその由緒もあまり知っておりませんでしたので、先にお参りをさせていただいてから、立て札などにある説明書きを、しっかり読んでみました。

 

すると、なるほど。このお猿さんたちは「神様のお使い」だったのですね。「神猿(まさる)」さんと呼ばれて、ここでの魔除けの象徴とされる、とても縁起の良いお猿さんなのだとか。

 

坂本の街は、ケーブルカーの乗り場があるように、比叡山の麓です。元々比叡山にはたくさんの猿が生息していたのですが、いつしかそれが信仰の対象として大切に扱われるようになり、このように神社の建物にもあしらわれるようになったのだそうです。

 

ただの猿ではなく「まさる」という名前が付けられたのも、「魔が去る」「勝る」に通じる、という大事な意味があるようです。「神猿=魔去る」、まさに、魔除けの象徴にふさわしい名ではありませんか。

 

ここまで知って、なぜ神猿さん達が、楼門の四隅で頑張っているのか、わかったような気がしました。彼らは屋根を支えながら、四方から来る禍々しいもの、邪悪なもの達を見張り、睨みを効かせているのですね、きっと。

 

境内には他にも、あちこちに神猿さんがたくさんいました。それぞれの持場、色んなところで、この日吉大社、そして祀られている大己貴神(大国主神)をお守りしているのでしょう。

 

可愛らしい姿で、しかしとても大切なお役目を果たしておられる神猿さん達。その仕事ぶりに、もう一度手を合わせてから、燃えるような紅葉の日吉大社を後にしたのでした。