信号待ちにて

2014.5.21|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は街での楽しい発見のことを。自然も歴史も樹木もブログネタの宝庫ですが、街にも面白いことがたくさんあります。しばしおつきあいを。

 

冒頭の写真は、大阪市内を車で走っている時の信号待ちで、ふと気づいて撮った一枚です。大阪人にはあたり前ですが、よく考えるとなかなか面白い光景だなあ、と思ったものですから。

 

ここは阿倍野筋という道路。天王寺に向かって北上中で、向こうにはこの3月にオープンした「あべのハルカス」が空に屹立していますね。そして道路には、車と電車が横に並んで、なかよく信号待ちをしています。

 

この電車は「阪堺線(はんかいせん)」といいます。その名の通り大阪と堺を結ぶ路面電車。運営は阪堺電気軌道株式会社です。でも、大阪の人が阪堺線と呼ぶことはほとんどありません。みな「チンチン電車」あるいは「チン電」と言っていますね。

 

私が面白いと思ったのは、最先端の超高層とローカルな路面電車のギャップもあるのですが、「路面電車」というものがない街に住む方々は、この場面を見たらとても驚くのでは?ということ。電車と車が並んで信号待ちって、いわゆる普通の鉄道しか知らなければ、かなり不思議な光景ではないでしょうか。

 

それともうひとつ。チンチン電車の車体は、一面広告で埋め尽くされています。この車体の広告は、恵幸商事という不動産屋さんです。しかも、電車の行先表示のすぐ横に社名が並ぶように書かれていますよ。

 

あ!行先によって、「天王寺恵幸商事」とか「浜寺公園恵幸商事」とか、色んな支店が出来るんや!やるなあ恵幸商事さん。そう思って、思わず運転席で笑ってしまいました。

 

昨今はJRでも阪急でも、車体に広告が出始めましたね。北摂のモノレールには、有名な「チキンラーメン号」もあります。でも、この阪堺線の広告は、もっとかなりローカルなものが多くて、それを見るのも楽しかったりするのです。

 

もちろん、電車が広告媒体になるのは、運営会社の収入のためです。実はこの阪堺線は、ながらく乗客減少と収入減に困っていたそうで、この車体広告も、会社の経営上の判断だったのでしょう。

 

しかし昨今、阿倍野界隈は非常に活気づいています。再開発が進み、中でも阿倍野筋に面して「あべのキューズモール」が出来たことは大きなエポックメイキングな出来事でした。それにつられて、ここ何年かは、チンチン電車の乗客数はずいぶんと増えているのだとか。

 

そして今回、あべのハルカスも出来ました。大阪に昔からある路面電車が、阿倍野界隈の賑わいとともに元気になるのは、とても嬉しいことですね。でも、こんな面白い広告は、会社の運営が改善しても、大阪っぽいので無くしてほしくないなあ(笑)。

 

ふと信号で停まった時間の中で、そんなことを考えていました。街には面白いことがいっぱい。自分の目をニュートラルにして、先入観なく観察するのが、その面白さを楽しむコツだと思った次第です。