傷のおもい出

2015.7.11|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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〈ひと以外の家族にも心地いいらしい無垢の木の床は、また元通りにもできるのが魅力です、が…。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は事務所でパソコン画面とにらめっこ。結構暑い日になりましたが、なるべく窓を開けて過ごしてみました。お昼は冷たいお蕎麦で涼をとったりしながら。

 

そんな時、食事や飲み物以外にも、ちょっといい方法があるんです。靴下を脱いで、裸足で木の床に足を付けておくこと。これ、ひんやりして気持ちいいんですよ。

 

無垢の木には空気が含まれていて、一種の断熱材のようにはたらきます。周囲が寒ければ暖かく、気温が高ければひんやりと感じられるのが、そのさらさらの質感と相まって、合板フローリングにはあり得ない魅力ですね。

 

今日もそうして、床を撫でるようにすりすりしながら志事。気持ちいいなあと思いつつやっていたら、ふと先月お伺いした築17年を数える木想家を思い出しました。ああ、あの床も可愛がってもらってたなあ、と。

 

冒頭の写真がそれです。お子さんがおられず、ワンコ、ニャンコが長い間一緒に暮らしていたこの家の赤松の床、ずいぶんと可愛がってもらっていますね(笑)。

 

木の家の床は、人間が心地いいのはもちろん、犬や猫たちにもかなり良いようです。お客さまのところへ暑い季節にいくと、必ずワンコはお腹を床にペタッとつけてその涼感を味わっていたりします。

 

ただ、ひとつ人間と違った可愛がり方は、爪です。ワンコも床に傷を付けることがあるし、ニャンコが爪を研ぐことで傷だらけになった柱なども見せてもらったことがあります。

 

でも、無垢の木ですから、いざ傷を直そうと思えば、サンドペーパーや鉋で削ればいいし、床などは削って磨いて蜜蝋ワックスを塗れば、元の通りの美しい床になります。これもまた、合板フローリングではあり得ない無垢の木の床の魅力でしょう。

 

このお客さまもそれをよく心得てらっしゃって、なおかつ自分たちの家族が心地よく木の床を使っているのだから、という想いで、ワンコやニャンコを暖かく見ておられたのに違いありませんね。

 

そしてその子たちがいなくなった今は、この床の傷が家族の想い出なのでしょう。いつでも直せる、とは言うものの、おそらく手を入れられることはないんだろうな、ご訪問した時、そう感じました。

 

傷が付いてもそれが醜くなく、むしろ味わいに変わり、なおかつそこにはこの家での家族の暮らしが刻まれている。それは本当に、なんと素晴らしいことでしょうか。

 

KJWORKS阪神の木の床にも、徐々に傷がついていきます。でも、それもまたよし。ここで私がやってきたことが刻みつけられていくのだから。ひんやりした木の床を足ですりすりしながら、今日はそんなことを想っていたのでした。