光の箱と雨

2015.7.4|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2015-03-06 09.16.57

〈どんよりと薄暗い日、この天から落ちてくる光が恋しくなります。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は朝からずっと、夕方にお会いするお客さまのための図面や資料づくりでした。雲の垂れこめた空から、午後には雨が降り出して、北向きのKJWORKS阪神の事務所には照明が必要になる感じでした。

 

梅雨にはこういう日が多いですね。そんな時、いつもこう思います。「ああ、ここにトップライト(天窓)があったらなあ」って。北向きの部屋を明るく心地よくするのに、とてもいいのになあ、と。

 

KJWORKSの木の家でも、屋根のすぐ下の部屋に光を届けるために、トップライトを時々設けます。冒頭の写真もそのひとつで、最近お引渡しをした木想家の天窓。いや、神々しさすら感じるような光ではありませんか。

 

トップライトは屋根についています。でもその下の部屋の天井が平らである場合には、屋根と天井との間にこのような「光の箱」が現れます。これも確か雨模様の時にとった写真ですが、それでも天井面との明るさの差は歴然ですね。

 

北向きの屋根の下の、北側の部屋。それも家の周囲が建て込んでいて、壁にある窓からは採光が望めないような場所に、トップライトは最適です。しかしそれだけでは不充分で、この写真にもあるように「風通し」用の窓と併用するべきだと私は思います。

 

天空採光の他に、開けることで室内の熱気抜きをしたり、場合によっては夜空を眺めたりと、色んな用途を担ってくれるトップライトですが、風を通すことには今ひとつ長けていない。特にこんな雨の季節には。

 

熱気を抜くことで風を起こす効果はあるのですが、それもやはり風の入口があってこそでしょうし、梅雨に天窓を開けてはいられません。やはりこの「雨の国」では、採光第一で考えたほうがよいものなのでしょうね。

 

本来こうした「屋根につける窓」は、日本の茅葺き瓦葺きの時代には無かったものです。それは漏水に直結する危険なものだった。西洋から入ってきたこうした窓を日本で使うには、それなりの智慧が必要ということなのだと感じます。

 

しかし、やっぱりこの「光の箱」の魅力は素晴らしい。上手に使えば北側の部屋を心地よくするのに、とても大きな力をもっています。そういう条件の場所へは、使い方に気をつけつつ、もっと採用していきたいですね。

 

今日はしとしと降る雨の中、こういう素晴らしい装置を知っているだけに、自分が志事している部屋がコンクリートの建物の中にあるのをちょっと恨めしく思ったりしながら、作業に勤しんだ時間でした。