再生の博物館

2013.10.22|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2013-10-22 14.11.32

 

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

これは、一般の販売されている書籍ではありません。この本は、ある博物館のパンフレットです。どなたの寄贈かわかりませんが、この蔵書、是非皆さんに見ていただきたい素晴らしいものです。

 

その博物館とは、表紙に文字がある通り「Vasa Museum ヴァーサ博物館」と言います。スウェーデンのストックホルムにある博物館で、私もまだ行ったことがなくて、憧れている場所の一つなんですよ。

 

では、ヴァーサとは何か。それは船の名前です。1628年に当時の王国でつくられた木造軍艦「ヴァーサ号」。この博物館は、その船をまるまるそのまま一隻、展示しています。約50mの巨体を、そのドラマと共に。

 

ヴァーサ号は、当時のスウェーデン王国が誇る最新の、そして最も華麗に装飾された、まさに「壮麗」そのものの軍艦だったそうです。しかし、何ということでしょう。この新鋭軍艦は、処女航海に出るそのストックホルム港内で横転し、沈没してしまったのです。

 

そしてそれから333年後、1961年にこの船は、ほぼ完全な形で海から引き上げられました。その巨体を再び海から浮上させるのに、それだけの時間がかかったということですね。

 

333年の眠りから覚め、再生したこの船は、まさに「タイムマシン」だと言えます。その価値を後世に残すため、発掘、復元、そしてそこからの保存処理という大変な作業を経て、1990年、ヴァーサ博物館がつくられ、船がおさめられました。

 

このパンフレットには、日本語でその当時のことや、沈没の理由、引揚げ作業、発掘、復元、保存についても詳細に書かれています。それは単なるパンフレットというより、まさに歴史と再生のドラマが描かれた一冊の書物のようです。

 

壮麗を極めた17世紀の船が、往時の巨体そのままに再生し、見られる博物館。それはどれだけの壮観なのだろうか?残念ながら、私もまだこの本を読んで想像するしかありません。

 

でも、いつか訪れて、このヴァーサ号という船に関わった17世紀の、そして20世紀の、たくさんの人々の息吹を感じてみたいものだと思っているんです。