土の都

2013.2.16|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

『京都土壁案内』 写真:塚本由晴 案内:森田一弥  学芸出版社

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家の設計士、山口です。

 

「木の家づくり図書館」で、今まで気づかなかったこんな本と出会ってしまいました。昨年出たもののようです。「京都土壁案内」、これはまた何と魅惑的なタイトルでしょうか(笑)!

 

私も休みの日などに、ちょこちょこ京都へ行きます。ここのところちょっとご無沙汰なんですが…。でも、やはりこの古都には魅力的な場所や景色、美しい木造建築がたくさんありますから。

 

京都に存在する古建築を見る時、そこには必ず「左官」の技がついてまわります。京都は左官の都でもあり、そして多くの壁塗り用の土を産する、「土の都」でもあるのですね。

 

案内役の森田氏は言います。「土壁を見ない京都の建築巡りは、寿司を食べすに日本料理を語る以上に、片手落ちである」と。

 

京都はまた観光の都でもありますので、ガイドブックの類も数多あります。しかし、このような視点で編まれた、しかもこのような手軽な感じのものは、あまりないのでは?

 

太閤塀、なまこ壁、引きずり壁、築地塀、蛍壁、筋塀、ぱらり壁…。色んな土壁の技術について理解を深めつつ、京都散策ができるというのは、なかなか楽しそうですね。

 

ちなみに私の目が釘付けになったこの本の白眉は、黄土の大津磨きで仕上げられた、「角屋」のおくどさん(竈)です。その幅なんと約三間。すごい迫力でしょうね。何としてもこのおくどさんは見ておかねば、私はそう誓ったのであります。

 

ちなみに冒頭の写真は、KJWORKSの「かぐらカフェ」のカウンターにこの本を載せて撮りました。バック上部の壁、これも左官の壁です。土壁ではなく、珊瑚を砕いて自然な糊で固めて塗った「美ら珊瑚(ちゅらさんご)」という壁なんですよ。

 

この自然な紅い色、これは沖縄の瓦を粉にして入れてあるんです。着色も自然素材、というわけですね。瓦も元は土ですから、珊瑚と土でできた左官の壁ですね。他にも土で着色したものがあります。

 

やはり、こういう左官素材を家づくりに取り入れているKJWORKSは、土の壁にも浅からぬご縁があるのですね。こんな良書で学んで、見に行って体感すると、またお客さまへ「左官壁の魅力」をお伝えする言葉に、説得力が増すに違いありません。