塗るまえの仕上がり

2015.2.23|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2015-02-21 14.47.31

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

昨日はお客さまによる「セルフペイント」の話を書きましたが、もうひとつの木想家の現場でも、塗りの工程が進行中です。土曜日に、その下塗りまで済んだ状況を私も確認してきました。

 

冒頭の写真がその様子。板張りの勾配天井が心地よい、家族の間です。そしてそれ以外の平らな天井と壁に塗っていきつつあるのは、「ローラー漆喰」。その名の通り、コテではなくペンキのようにローラーで塗っていく漆喰ですね。

 

KJWORKSではこのローラー漆喰を非常に多用しています。水性ペイントのようなさらさらした質感で、しかも調湿性能をきちんともった良い材料ですから。そして、施工してくださるのは内装屋さん。

 

最初に石膏ボードにMSシートと私たちが呼んでいる下地用の紙を張ります。そして表面の凸凹やビスの跡などを隠して平滑にしてから、ローラーで下塗り、上塗りとしていくのですが、塗る前に最も大事な工程があります。

 

それが「養生(ようじょう)」です。建築用語での養生は、病気の療養というような意味ではなく、「保護する」という意味です。そしてこのような「塗り」の工程で言う養生とは、「塗る必要がない部分をビニールやテープで覆うこと」。

 

冒頭の写真もよく見ると、天井との際、柱との際、窓枠周り、ローラー漆喰を塗らないところとの境目には全て、養生がなされています。マスキングとも呼ばれるこの工程が、仕上がりの成否を左右する、まさに要。

 

なぜなら、養生に使ったテープやビニールを剥がしたラインが、塗りの境界線としてばっちり見えるからです。塗っている面はどこも同じですから、その境界の部分の美しさが最も際立つのですね。

 

テープを張るだけ、と言っても、壁や天井の面も完全に平滑ではありません。ちょっとした凹凸などはたくさんある。そこに「真っすぐ」にテープを貼っていくことは、一般のかたが思う以上の難しい「技」と言えます。

 

ですから養生が美しく出来れば、塗りの工程はもう成功したも同然と言っていいでしょう。塗る前の段階になれば、もう塗り終わりの仕上がりはわかっている、というわけですね。

 

ということで、昨日書いたようなセルフペイントのお客さまの場合も、その前の養生は私たちの方でやっておくのが正解。塗るよりもずっとずっと難しいからです。

 

この木想家のローラー漆喰も、上塗りまできちんと終えれば、純白の美しい壁と天井に仕上がります。塗りの養生をめくってその純白の雄姿が現れる時は、建物の外部足場がはずされるのと同じくらい、家づくりの現場での感動の瞬間なんですよ。

 

私も今回この養生中を見ることが出来たので、ローラー漆喰が仕上がったところを見るのが、さらに楽しみになったのでした。