外壁をまもる

2013.8.5|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日もお日様は元気いっぱいでした。暑かったですね。今回は、そんな強い日差しからも建物がしっかりと守られている事例を、ご紹介しましょう。

 

冒頭の写真の木想家、この年末で築10年になります。これは先日お伺いした時の写真ですが、外壁の板張りが、とても素晴らしい色合いを保っていますね。

 

この唐松板の外壁、10年の間、何もメンテナンスしていないんですよ!そもそも最初から塗装もしていません。板そのものの色合いが、ここまで美しく保たれているんです。

 

その秘密が、この写真には写っています。写真の真ん中から右にかけてはこのお宅の玄関、そして左奥は駐車場なのですが、どちらにも、屋根の軒が深くかかっているのがおわかりでしょうか。

 

軒がしっかりと出ている。ただ、それだけなんです。でも、それだけのことで、その下に位置する外壁は、これほどまでに保護され、守られているんですね。

 

この同じ木想家の中でも、他の部分で軒が出ていない箇所もあります。そこの板張り外壁は、やはり10年の時を経て、シルバーグレーに色褪せしてしまっていました。

 

KJWORKSの木想家では、外壁の下に通気層を設けて空気が通うようにしてありますので、板張りの板が腐るようなことはありません。でも、雨がかかって、日差しを浴びて、を繰り返す中での木の色褪せは、やはり避けられないものだと言えます。

 

板張りに限らず、建物の外壁を長く保たせるために何が必要かと考えた時、私たちはまず「軒を出し、庇をつける」ことを第一に考えます。それは、先人達の知慧が詰まった素晴らしい装置だからです。

 

深い軒は、陽の高い夏には陰をつくり、陽の低い冬には、日照を取り込んでくれますし、今の時期のゲリラ豪雨からも、建物を保護してくれます。窓に庇があれば、梅雨時期の少々の雨なら、少しだけ窓を開けておくこともできますし、真夏には窓に簾をつけることもできます。

 

色んな外界の条件から、家と、そしてそこでの暮らしを守るために、必要不可欠なものなんですね。

 

そんなことを思いながら街並みを眺めた時、昨今は本当に軒や庇のない家が多いことに驚いてしまいます。本当に四角くて出っ張りのない、箱のような家もたくさん見かけますね。

 

おそらくそれらは、「モダンでシャープな外観」などと宣伝されているのだろうと想像しますが、この気候変化の激しい日本という国で、そういう建物は、四季折々に心地いい暮らしをもたらしてくれるとは、とても思えません。

 

こういうことは、流行り廃りとは無関係のもの。この国に建つ以上、古より長い長い時間をかけて形づくられてきた家の形には、やはり大切な意味があるはず。

 

私はこの木想家にご訪問するたびに、改めてその意味を想うのです。