子どもの造形

2013.8.31|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は、先日縮緬のカードケースをプレゼントしてくださったお客さまと、家づくりの終盤に向けて打合せをおこないました。主に外構工事の内容と、家の中の細々としたところを、ひとつひとつ決めていく内容でした。

 

その打合せは、今回の設計担当である設計・管理部のマネージャー、松尾くんをメインとして進んでいきます。できれば私も一緒に打合せに参加したいのですが、今日の私のお役目は、ご両親が打合せに集中できるよう、ご子息のひでちゃんと遊ぶことでした(笑)。

 

3歳の彼とは、もうすっかりお友達。打合せに来てくれるたびに、「やまぐちしゃん、あそぼ」とお誘いがあって、私も実はちょっと楽しみにしています。今日も、彼が大好きな無垢の木のおもちゃ、カブトムシとクワガタを象った自動車のおもちゃで遊びました。

 

KJWORKSの「かぐら」の一角にある「こどものあそびば」と題されたキッズコーナーには、現場から出てくる「端材(はざい)」を利用した、無垢の木の積み木がどっさりあるんです。あまりそんな量の積み木をもっている子は少ないので、ここに来ると、必死でピースを積み上げ、すごい大作をつくる子もいます。

 

他にも木をつかったおもちゃがいくつかあって、カブトムシとクワガタの車もそのひとつです。どのおもちゃも、積み木も、たくさんの子供達に使ってもらって、表面はもう傷だらけ。でも、無垢の木の表情って、それがまた味になるからいいのですよね。

 

今日は、さんざん車を走らせて遊んでから、カブトムシとクワガタのお家をつくろう、ということになりました。お、今日はそう来たか。わたしは、一応本職ですから、よしきた、とばかりに細長い積み木で柱や梁をつくっていこうとしたんです。

 

そうしたら、「やまぐちしゃん、ちがう」と言われました。そして、彼がつくったお家が冒頭の写真です。あちこちに三角の積み木が置かれていて、それが屋根なのですね。いわゆる「内部空間」というものを創造するのは、まだ3歳にはかなり難しいようです。

 

私は、この造形にちょっと驚きました。3歳のこどもの造形に驚いたのではなく、私自身も、子育てを体験してきたはずなのに、積み木でお家、となったらもう当然のように「空間をつくる」ことを想定している、その自分に驚いたんです。

 

またちょっと、頭が固くなってきてるなあ。こないだ川の流れでリラックスしてきた筈なのに。いかんいかん。そんなことを思いつつ、我に返ってよく見ると、ひでちゃんのつくる積み木の造形は、私がイメージしたものより、ずっと自由で、楽しそう。

 

不規則な屋根の並びや、カブトムシの居場所。ひとつ屋根付きの塔が傾いているところなんか、何とも言えず愛らしい。使い込まれて傷がいっぱいの無垢の木の質感と相まって、見ていてとっても微笑ましく、しかも芸術的な作品だと思いました。

 

子どもだから無茶苦茶やってるだけ、と言ってしまえば、単にそれまでのこと。でも、この自由闊達な「かたち」、歓びとエネルギーが溢れているような、その造形を楽しむ心のあるなしは、ものの見方を大きく左右するように思えます。

 

家づくりを通じて、お客さまに喜んでいただけること。そんな「暮らしの実現」を目指す私たちには、そんな心がなくては。それがあってこそ、志事を楽しみ、夢を語り、希望や願望をかたちにできるはず。そう感じられ、今日は縮こまってしまっていた自分を、大いに反省したのでありました。

 

ちなみにこの無垢の木で組み上げた「お家」の中に、ひとつだけ黄色い色がついた積み木がありますね。それが何かひでちゃんに聞いて、私はまたその自由さに、笑みがこぼれたのです。

 

これは、カブトムシさんに届いた、宅急便のお荷物なのですよ。