季節をかざる場所

2015.3.2|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2015-03-02 07.49.12

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

明日は3月3日、桃の節句ですね。我が家でも少し前から、雛飾りが登場しています。冒頭の写真がその飾り付けの様子。今回はうちの末っ子が一人で支度したのだそうです。

 

我が家の雛飾りは、いわゆる七段飾りというような雛壇の豪華なものではなくて、お内裏様とお雛様、二人だけのシンプルなもの。でも、それが私の好みともあっていて、私はこの飾り付けがとても好きなのです。

 

この雛飾り、我が家へ来てからもう18年になります。長女が生まれて次の桃の節句から飾っていますが、最初はまだ建て替える前の家でした。そして8年後、いまの木の家へ一緒に引っ越したんですね。

 

この雛飾りをしている場所は、玄関入って正面にある造付収納の上。無垢のタモ材のカウンターの上です。本当は、お内裏様とお雛様、そして桜や橘やぼんぼりが一緒に載る漆塗りの台があるのですが、それはもう何年も使っていません。

 

その台も一緒に飾るとすごく仰々しい感じになる。それもあるのですが、もっとシンプルに、この方がなんだかお二人も心地よさそうかなあ、なんて思っているのです。

 

KJWORKSではこのように、造付け収納の計画をする時に、床から天井までの「壁面収納」のように場合と、あえて途中までにして、上部に無垢の木の天板を設けて「カウンター収納 = 飾りの場所」をつくることとがあります。

 

この雛飾りがある場所もまさにそんな感じ。切れていますが、この右側は床から天井まで全て収納にして、その横はこういった季節の飾りを想定したカウンター。いわばここが、和室のない我が家の「床の間」のようなものなのかもしれません。

 

ちゃんとした床の間でなくても、家の中にどこかこのような「設えの場所」を設けることは、とても素敵なことですね。我家の場合はそれが玄関入った真正面にあって、雛飾りに限らず色々と使われてきました。

 

お正月の鏡餅はもちろん、普段はお気に入りの器を飾ったり、子どもたちが学校でつくった作品を飾ったり。小さなクリスマスツリーや、写真や、その時々の「旬」なものたちを。

 

そういう「飾る場所」を、家づくりの中で一緒に考えることは、まさに暮らしの中に潤いを取り入れること。ですからKJWORKSでは、何かしらいつもこういう意味合いの場所をご提案していますね。

 

家の中に、季節や節気というものを取り込んで暮らす。四季をもつ国である日本、そこで生きる我々日本人が営々と受け継いできたその風情は、ちゃんと次の世代へ伝えていくべきもの。

 

雛飾りや五月人形などを飾る場所をつくることは、まさにその風情を伝える「季節をかざる場所」づくりに他なりません。この場所に雛飾りを設えるたび、暮らしの中でのその大切さに気づくような気がする私です。