家の自由度

2014.8.20|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2014-08-20 09.42.37

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

ここのところKJWORKS阪神のことばかり書いていますが、もちろん一方では、以前からお客さまと一緒に進めている、木想家の現場も動いていっておりますよ。

 

今日は、内部解体が完了し、木工事が進むリフォームの現場を確認してきました。解体して初めてわかった部分の計画の修正を検討するためです。リフォームではこの段階の調整が必ずあり、とても重要なんです。

 

このお宅は3階建。1階が鉄筋コンクリート造、2階から上が木造です。今回の計画を通じて、やはり木造、それも昔からある「木造在来」という建て方の「自由さ」を痛感している次第。

 

例えば、冒頭の写真。コンクリートでつくられた壁に囲まれた、元はタイル張りのお風呂でした。冬はとても寒いお風呂だったそうで、蓄冷したコンクリートに囲まれているのだから、それも納得です。

 

それを今回なんとか緩和したいということで、ユニットバスで計画しましたが、これがコンクリートの壁に阻まれて、なかなか合うサイズがない。何とか入るものを見つけましたが、それでも入口のサイズが合わない。

 

やむを得ず、一部コンクリート壁をほんのすこし削っています。浴室も、洗面も、トイレも、全てコンクリートの壁で四周囲まれるほどに頑丈につくられているこの1階、構造上はなんら問題ありません。

 

むしろ頑丈過ぎて、壁が多すぎて、間取りの変更などは全く出来そうにない、そんな感じなんです。お風呂の入口だけで、こんなに苦労してしまう。コンクリート壁が家の可変性を奪ってしまっているんですね。

 

その点、2階から上の木造部分は、かなり自由がききます。間取りも全く変えて、トイレのないところにトイレをつくり、キッチンのないところにキッチンをつくる。そんなことが、さほど困難なく実現できているんですよ。

 

私たちが家づくりで最も大切だと考えていること、それは「永く住んでいただく」ことです。構造強度の面でそれを満足するのは当然として、ご家族の暮らしぶりの変化に対応できること、すなわち家の可変性、フレキシビリティも非常に重要なポイントです。

 

その意味で、やはり木造は、あまり良くない言い方ですが、「いじくりやすい」。間取りの変更に伴う構造部分の変更や調整に、柔軟に対応してくれるのですね。

 

丈夫なコンクリートでも、それが却って家の自由度を下げ、ライフスタイルの変化に追随できない要因になっている。それが原因で解体、建て替えしている家も多いことを考えると、家を長持ちさせるためにどうコスト配分すべきか、考えさせられます。

 

構造として丈夫で、なおかつ自由度が高い、フレキシブルな家。その完璧な答えはないのかもしれませんが、それに最も近いのは、木造在来工法の家ではないだろうか。そう思うのです。

 

今日も現場で、解体後の状況による調整ごとを話し合いつつ、その答えのバリエーションの多さにも「木造の底力」を見たような気がした私だったのでした。