居場所の場所

2015.7.12|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2015-07-12 14.47.31

〈住まわれている木想家の見学会。住まい手さんによるご案内が、一番よくわかるんです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は午後から、KJWORKSのイベント「住まいと暮らしを体感するバス見学会」が開催され、豊中にある築五年の木想家へとお邪魔してきました。私が家づくりをご一緒しているお客さまがご参加、私も久しぶりに、プランを担当したこの家へ。

 

こちらのお宅は、街なかの27坪ほどの土地に建つ家で、リビングが2階にあります。私のお客さまへも2階リビングをご提案していて、その感覚を知ってみたい、との想いでのご参加だったのです。

 

私自身も、いまこのブログを自宅の2階にあるダイニングテーブルで書いています。KJWORKSでは、明るさや風通しを考え、その土地に相応しいと感じられる時には2階リビングを提案しますし、それはもう私にとっては普通のことになりつつある感じ。

 

しかし、それはまだどちらかというと少数派でしょうし、今までの暮らしでそれを経験したことのない方には、その感じがよくわからない、というのが正直なところでしょう。それはごく自然なことですよね。

 

人間というのは、やはりそれまで自分が暮らしてきた家の環境というものに想像以上に縛られているものです。例えば、生まれた時からずっとマンション暮らしの方は、戸建てで「家の中に階段がある」ということが感覚として把握しにくい、というように。

 

それは、なにも恥ずかしいことではないし、建築のプロではないのだから、あたり前のことです。そしてそのために、似たタイプの家を見学し、そしてなおかつそこに住んでいる人のお話を聞こう、というこの見学会の意義があるのですね。

 

今日も実際にそのお宅を拝見し、その2階リビングの明るさと風通しを体感していただけました。冒頭の写真は、住まい手さんみずから色んなところをご案内くださっている様子です。

 

家の見学のあとは、「家族の間」に座って、座談会。そこでもやはり「どうして2階リビングにしたのですか」というご質問がとんでいました。住まい手さんによる、自分の実感としてのご回答には、私たちつくり手が言う「なぜ2階リビングを提案したか」よりも、ずっと確かな説得力があります。

 

ここに何度も書いていることですが、KJWORKSでは「完成見学会」というのをあまりやりません。このような「住まい手さんご自身の言葉」を大切にしたいし、それにはこういう「住んでいる家の見学会」が一番。私たちつくり手の想いは、「現場の見学会」で伝えるべきだと思うからですね。

 

今日もその、何のやらせもない「暮らしてみての言葉」がストレートにご見学の皆さんに伝わったことでしょう。家のあり方を見て、そしてそこに暮らす人の話を聞く。そこには私たちプロが見落としがちな、家づくりを考えている方の本音が表れることも多い。

 

今日も住まい手さんの、私よりも上手な家の説明を聞きながら、そのご厚意に心から感謝し、家づくりの先輩が後輩に与えてくれる、大きな力を感じていた次第です。