師父のいる店
ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。
一昨日、久しぶりに喫茶店「Olive」へ行ってきました。遅れてしまっていた「家の誕生日」を兼ねて。ここは、KJWORKS設計・施工の店舗併設住宅なんです。出来上がって、ちょうど10歳の誕生日です。
この6月に「代え難い店」というタイトルで書いた、私にとって思い出深い家、大切なお店。4ヶ月ぶりの訪問ですね。本当に久しぶりにここの美味しいカレーライスと、サイフォン出しのコーヒーをいただいてきました。
前回は、竣工間もない外観を載せましたが、今回は喫茶店内部です。ちょうどお昼すぎでお客さまがいなくなったところを、一枚。10年経って室内もいい風合いになり、ますます落ち着く良い店になっていますね。
ここへ来た時、女主人のmasakoさんとは当然おしゃべりしますが、もう一人、お父さんとも色々とお話をさせていただいています。今回はだいぶ時間に余裕があったので、ゆっくりとお父さんとのお話を楽しんできましたよ。築10年ということで、この家、この店をつくっていた時の話にも、楽しく花が咲きました。
この家をつくる前、ここには喫茶店と金物屋さんが並んでいるお宅がありました。お父さんは金物屋さんだったんです。ですから我々の建設業界ともつながりがあり、色んな職人さんともつきあいが豊富だった方です。
徒弟制のころの職人の厳しい世界を知っているお父さんは、ご自分で商売をずっとしてこられたこともあり、「仕事」というものについては、やはり一家言おもちです。家づくりをしている時も、その後もずっと、私が訪れるたびに、何らかのかたちでお父さんから「仕事」についてのお話を聞く、ということが続いています。
私の父より3つ年上で、ほぼ同世代。会うたびに思いますが、本当にこの世代の方には、骨があるというか、筋が通っているというか、芯がしっかりしておられる方が多いですね。他愛のない会話の中にも、それが随所に感じられ、時々ちょっと居住まいを正すような心持ちになります。
今回は、阪神への私の赴任のこともお話し、お母さんにもご報告しました。お父さんのご意見も伺ってきたんです。喜んでいただけましたが、でもやっぱり色々とお話を聞いていると、「生半可なことではでけへんぞ」と改めて感じさせられることしきりでした。
私にとって、もはや「住まい手のお客さま」という感じがしない、そんな「Oliveのお父さん」。話し好きの素敵な笑顔と、激動の時代を生きてこられた気骨に、今回もまた、お店のカレー&コーヒーとはまた別の「深い味わい」をいただいてきた次第です。