引戸がいっぱい

2013.7.17|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

吹田で施工中の二世帯住宅の現場へ、また進捗確認に立ち寄って来ました。セルローズファイバー断熱材の吹き込みもほぼ終わり、大工さん達による木工事も、いよいよ大詰めを迎えている感じですね。

 

このお宅の1階に、「引戸」がいくつも集中して取り付けられる場所があるんですが、その場所を今日見ると、引戸が入る溝が掘られた鴨居が、こっちにもあっちにも、はたまたその隣にもと、何だか「縦横無尽」という感じで取り付けられていました。

 

何故このように引戸が集中するのか、というと、部屋が連続しているということもありますが、大きな理由として「空間の使い方の切り替え」が発生するから、だと言えます。

 

このお宅のお父さんお母さんは、人形作りの教室をしておられて、新しいこのご自宅でも、引き続き教室が開催されます。教室の生徒さんは、玄関を使われますし、教室の合間にトイレも行かれる。

 

でも、そこから先の寝間へ行ったり、子世帯の2階の方へ上がったりは、してほしくないわけですね。そういう場合に、こっちの引戸を閉めておけば、そこでシャットアウトできる。そういうことを考えたわけなのでした。

 

そういった、パブリックとプライベートの区分、あるいは使うシチュエーションによってそれが変化する、といった場合に、空間を仕切ったり開けたりするために「引戸」というものは、とても便利なんです。

 

閉めておけば、仕切りになる。でも、開けっ放しておくことができて、その時には壁の前におさまってしまう。引戸を引いていく先のスペースのことを「引きしろ」と言いますが、引きしろが確保できさえすれば、非常に役立つ建具です。

 

冒頭の写真のスペースの引戸が、もしドア(開き戸)だったら、こうはいきません。そもそも、危なくてしょうがない。ドアというのは回転運動で開きますから、動く場所をとりますし、開ききってもかなり邪魔な感じになりますね。

 

このブログで何度も書いた言葉ですが、「引戸は開いているもの、ドアは閉まっているもの」という言葉があります。基本的に開けっ放しておくのが普通の状態、という引戸は、風通しが大切なこの国の気候風土に合った、優れた道具です。

 

木想家では普通、玄関ドア、勝手口ドア以外の内部建具については、基本的に引戸のみでつくっています。それは、風通しなどのこともありますが、なるべく開けっ放しな、オープンな暮らしの方がいいと思っているからでもあります。だって、住むのは「家族」なんですから、ね。

 

この二世帯住宅の木想家も、引戸によってオープンとクローズをうまく使い分けて、心地よく暮らしていただきたいもの。今日は現場で、そういう思いでプランを練っていた時のことを、思い出したりしていたのでした。