彼我のヒーロー

2017.7.22|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

〈ヒーローに憧れる男の子、そしてかつて男の子だった人には興味深いお話です。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今日は志事とは全く関係なく、男の子が大好きな歴史あるTV番組のシリーズについて書いてみます。「東洋経済オンライン」で興味深い記事を読み、その「逆輸入」の実態を初めて知ることができましたので。

 

冒頭の写真は、公開中の映画『Power Rangers』です。5人のヒーローが悪と戦うこのスタイルは、日本に長く続く「スーパー戦隊」シリーズが元になっている様子。それはタイトルや絵面から想像がつきますね。

 

日本のスーパー戦隊は1975年「ゴレンジャー」がその嚆矢ですから、私が8歳の時から。私も、今17歳の息子もTVで観ていました。かつて男の子だった人、そして男子のお母さんなら、誰もが知るシリーズです。

 

今回、長く続いているそのスーパー戦隊シリーズがハリウッドで映画化されたのだな、私はそう思っていました。日本の題材がハリウッドで3DCGを多用した大作に化ける、というのは最近よくありますから。

 

でも今日の「東洋経済オンライン」の記事で、それは大きな間違いであることを知りました。『Power Rangers』は、実はアメリカでも長く続く人気TV番組だったんですね。1993年のスタートで、もう24年も。

 

記事は、東映の顧問・鈴木武幸氏へのインタビューでした。日本のスーパー戦隊シリーズというTV番組がアメリカで放映されるまでの経緯や、その「英語ローカライズ版」製作の苦労談が書かれていたんです。

 

スーパー戦隊好きなプロデューサーが米国版を熱望して始まったシリーズは、アクション・特撮部分はそのままで、ドラマ部分はアメリカ撮影版に差し替えるという、日米ハイブリッドのスタイルなのだとか。

 

また、当初は現地スタッフに「ヒーローが5人いるのはおかしい」と言われ、あの「変身ポーズ」も受け入れられなかったそうです。しかし、その彼我の違いこそ面白いというプロデューサーがいたから出来た。

 

インタビューで面白かった部分を引用しましょう。「いちばん大事なのは、1人ずつ名乗ることで、子どもたちだって覚えられるじゃないですか。自分でレッドだと名乗らないと誰も呼んでくれないですもんね。」

 

これもまた、日米の大きな違いなんですね。日本にはチャンバラの歴史があり、戦う前に名乗ることが普通であるのに対して、アメリカにはそうした習慣がない。記事の中で私がとても興味深く感じた部分でした。

 

そしていざ放映されてみると、そうした文化の違いは軽々と乗り越えられ、『Power Rangers』はアメリカの子ども達に熱狂的な支持をうけました。それは日本をはるかに超えた、まさに社会現象だったそうです。

 

映画のシーンなどでアメリカ人の子どもが観ているTV番組はたいていアニメのように思いますし、まさかスーパー戦隊シリーズが大人気とは、夢にも思いませんでした。次の画像はそのシリーズのリストです。

 

昔、うちの子たちと毎週欠かさず観て真似をした思い出があるのは『忍風戦隊ハリケンジャー』でした。これが彼の地では『Power Rangers Ninja Storm』となる。忍者ですから、さらに人気だったことでしょう。

 

記事で鈴木氏は、戦隊シリーズが日本だけでなくアメリカでも人気を博した理由として、こう言っておられました。「なんといっても5人が力を合わせるという“絆”ですよ」と。「絆」のあるヒーロー像だと。

 

なるほど、従来のアメリカンヒーローとは違うその人間味のようなもの。完全無欠でない者たちが助け合い、補い合って何かを成し遂げること。きっとそこが万国共通に子どもの心に響くのかもしれませんね。

 

映画『Power Rangers』の詳細は知りませんが、予告編を見る限り、凄いCGで魅せる作品のようです。願わくば、戦隊シリーズらしい部分も子ども達に響かせてくれる、そんな作品であればと思う次第です。

 

※元記事はこちらにて。