文章の相性

2015.7.2|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2015-06-29 11.04.42

〈大和言葉の本から、またこの人の紡ぐ言葉の世界に浸りたくなりました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

この2日ほど、KJWORKS阪神の事務所に続々と本が届いています。このブログでも二度ほどご紹介した平岩弓枝さんの時代小説、またも何冊かまとめて購入したのでした。

 

先日「大和言葉」の本についてご紹介しましたが、その読了後、やっぱり美しい日本語の文章に触れたくなり、半ば衝動買いでどっさりと注文した次第。短篇集、一冊完結、上下巻完結くらいのボリュームのものばかりです。

 

平岩弓枝さんの本は非常にたくさんあります。時代小説ですと、「御宿かわせみ」シリーズや、「はやぶさ新八御用帳」のシリーズが有名ですね。でもそういうシリーズ物は次々読みたくなるし、同じ設定のものより、違う時代、違う主人公のものをたくさん読みたい気分なんです。

 

この歳になるまで読んだことがなかった平岩作品。足利義満を描いた「獅子の座」で初めてその著作に触れましたが、いっぺんで虜になってしまって一気に読了してしまいました。

 

描かれる物語もちろん良いのですが、その文体が素晴らしい。あまり書き過ぎない、簡潔かつ抑えめな表現で、それでいて美しく読みやすい。読むものの想像力を刺激するような、まさに「興趣が尽きない」文章だと思います。

 

特に感じるのは、改行のしかた、句読点の打ち方が、かなり私の好みに合っていること。これ、とても大切だと思います。私の感覚が正しいのかどうかは別にして、自分が思うのと違うところに読点が打ってある文章は、とても読みにくいですよね。

 

読んでいて感心するのですが、短編ひとつにも、かなり凝った筋書きが用意されています。それを限られた頁数で読ませるには、まず文が理解しやすいことが前提で、そうであればこそ作品世界にすんなり入っていけるのでしょう。

 

歴史を学び直しながら、なおかつ歴史を意識した美しい日本語の言い回しに触れる喜びは、二十代の私には無かったもの。足利義満を入口に始まったこの時代小説逍遥はおそらく、この年齢になった今の私にこそ必要なことなのだろう。そう感じます。

 

また、時代小説とは別に、「◯◯師」と名のつく伝統芸能を受け継ぐ人たちのシリーズもあって、これも私の気になる分野。直木賞受賞作「鏨師(たがねし)」もとてもよかった。時代小説と並行してこちらも読み進めていくつもりです。

 

今日は何だか平岩弓枝賛歌のようになってしまいましたが、今の自分の興味の方向と、そして今の自分の感性にぴったりと思われる文章、作家と出会えるというのは、実はかなり幸運なことではないでしょうか。

 

たくさん届いた本の表紙を眺めつつ、またそれぞれの物語世界に没入する時間を想像してほくそ笑んでいた、今日の私でした。