早春の苦味

2015.2.28|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

201503-1

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日で2月も終わり。早いですね。明日からはもう3月、そろそろ春めいてきてほしい時期、毎月DM読者の皆さんのところへ届く「住まいの学校」のチラシにも、そんなものを描きました。

 

笊に乗った、早春の山菜たちです。最近はこういうものをあまり目にしなくなった気もしますが、皆さんおわかりになりますでしょうか。左から、ウド(独活)、タラの芽、そしてフキノトウ(蕗の薹)のつもりです。

 

ウド(独活)は、「ウドの大木」という言葉がありますが、木ではなくて山菜ですね。白い茎の部分をスライスしていただくと、そのシャキシャキした独特の歯ごたえが心地よくて、少し苦めの滋味も独特です。

 

タラの芽は「木の芽」です。タラノキという樹木の新芽のこと。これはウドよりもよく知られているのではないでしょうか。ちょっともちっとした食感がこれまた独特です。絵面上の理由で少し伸びたものを描いていますが、あまり伸びすぎるとえぐ味が出て美味しくない、と云いますね。

 

そしてフキノトウ。これは花の蕾なんです。これが咲いたあと、地下茎から出てくる葉っぱの柄のところ、これがフキですね。その形が何とも可愛らしい。今回はちょっと笊からこぼれた絵にしてみました。

 

私が子供の頃、早春のお休みの日、両親と一緒によく山菜採りに行きました。そしてその日の夕食には採ったばかりの山菜が出たものです。ウドやフキノトウは珍しかったですが、タラの芽はよく食べたなあ。

 

そしてこれらのもう少し後、本格的に春になってからはワラビ(蕨)やゼンマイ(薇)などもよく採ったものです。正直なところ、どれも子どもの口には合わない苦味があって、あまり好きとは言えませんでしたね、その頃は。

 

でも、躾には厳しい親でしたから、必ず少しは食べさせられました。大人になってからはさっぱり行きませんが、おかしなもので嫌々ながらに食べたあの時の味が、この歳になると無性に懐かしく、とても贅沢なことをしていたんだなあ、なんて思うのです。

 

春浅い山菜の時期に、例えばお蕎麦屋さんで天ざるなんて頼んで、こういった山菜の天麩羅が出てきたりすると、何とも言えず嬉しい。あのほろ苦さがとても清々しく、まさに春の訪れを告げる味だと感じます。

 

大自然が冬の間にためてきてやっと顔を出した春の息吹を、少し分けていただく想いで山菜を採り、その早春の苦味をいただく。さあ、今年もそろそろそんな季節がやってきますよ。