昆布出汁を守る

2012.11.18|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。お家の設計士、山口です。

 

先日の休みのお昼ご飯に、おうどんをいただきました。写真のようなものでしたが、うどんもさることながら、載っている「とろろ昆布」がびっくりするくらい美味しかったのです。

 

メニューには「こんぶ土居のとろろ昆布です」とあります。とても気になるし、近くらしいので、店を出てから寄ってみることにしたんです。「空堀商店街」の中にその店「こんぶ土居」はありました。

 

私はあまり詳しくなかったのですが、この昆布専門店は、知る人ぞ知る超有名店なのですね。パリの三ツ星シェフですらも、この店の最上級出汁昆布を求めてやってくるのだとか。すごい!

 

江戸時代、北海道の物産が「北前船」によって大坂(今の大阪)の地に集まるようになり、その中のひとつであった昆布から、出汁の文化、うまみの文化が関西に花開いたのだといいます。その伝統ある大阪の食文化を守り続けている老舗こそ、この「こんぶ土居」だったんですね。

 

そういう「古くからある良いもの」に目がない私。ますます興味が湧いてきました。色々と調べてみて、なかなか面白いことも知ることができたんです。

 

たとえば冒頭のとろろ昆布。私はこれをずいぶん久しぶりに食べたのですが、このとろろ昆布というのは、大阪へ入ってきた昆布と、堺の刃物技術が出会って生まれたものなのだそうですね。酢でやわらかくした昆布を、よく切れる刃物で細く削ったものです。ふわふわとして、おにぎりにかかっていたりすると、たまりませんね。

 

また、こんぶ土居さんが、昆布にとどまらず「本物を次代に伝える」ことに力を入れていることにも感心しました。お店には自社の昆布の他にも、醤油や蕎麦などの食品から、果ては石鹸まで、同じく昔ながらの製法でつくられた本物が扱われていましたよ。

 

土居さんの店舗の内部も、無垢の木や漆喰がふんだんに使われ、KJWORKSの木想家と通じるものがありました。築50年の信用金庫の建物をリフォームしたのだそうです。それも「昔からある本物の材料で」というわけですね。徹底しています。

 

そのような頑固一徹な姿勢をもつ店だからこそ、そのための努力を惜しまず、本物の伝統を今に伝えることができたのだなあ。私はとても腑に落ちた気がしたのです。

 

自分たちも「木の家」という、日本に昔からあるものを、その伝統を今に伝える仕事だとも言えます。「こんぶ土居」を訪れて、とても勇気づけられた私だったのでした。

 

無論、とろろ昆布もしっかりとゲットした次第。その点ぬかりはありませぬ(笑)。