暮らしにとっての土地

2015.1.19|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

s-2015-01-18 14.08.03

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

昨日の日曜日は、豊中であった木の家の「限定見学会」にスタッフとして参加し、私がご担当するお客さまのお相手をさせていただきました。「限定」とあるのは、KJWORKSの「お家の勉強会」にご参加くださっている方にのみご案内しているからです。

 

冒頭の写真が、そのお引渡し前の木想家の姿です。建物の全貌が見えませんね。そして、建物の手前にずっと長い、路地のようなスペースが延びています。

 

この土地はいわゆる「旗竿地(はたざおち)」なんですね。竿の先に旗が広がっているような、そんな土地のことです。公道に面するのは竿の部分で、その幅は最低2m以上と定められています。

 

この土地の「竿」の部分は、まさにそのギリギリの幅。ですから、その奥の「旗」の部分に建つ家は、その間口の全ては見えません。また、幅2mでは、この竿の部分を駐車場にすることも出来ません。

 

でも、竿の部分を通り抜ければ、旗の部分は思いのほか周囲が開けていて、明るく風の抜ける良い場所なんです。木の家は、その明るさと周囲の抜けを最大限に活かすよう、2階リビングの家になりました。

 

実は、この土地を気に入って、家づくりをここでおこなうことになったお客さまは、「自家用車をもたない」主義。それよりも、職場への近さを優先しておられたんです。

 

そしてなおかつ、どちらかというと和風がお好みのお客さまには、通常は不便とされる旗竿の土地も、逆に「引き」がある、奥ゆかしいアプローチをもつ敷地として、魅力的に感じられたのでしょう。

 

KJWORKSでも、そんなお客さまのお好みと、この土地の持ち味を活かすかたちで、この家は「通り土間」のある家になりました。写真でも、引戸の玄関が開いた向こうの方に、もうひとつ引戸が見えますね。

 

路地から、そのまま土間を通って南側の庭へ抜ける。土地利用の仕方を工夫して生まれたプラン、私も中へ入るのは初めてでしたが、とても良く土地に似合っていると感じられました。

 

土地の良し悪しとは、広さや方位、周辺環境ももちろん大切ですが、最も重要視すべきは、家族の暮らしぶりに合っているかどうか、ということだと思います。万人にとってよい土地はない。しかしそのご家族にとって良い土地であるなら、そこには佳き「暮らしの実現」が出来るはず。

 

長く家づくりに関わり、色んな土地との出会いを重ねていると、お客さまの暮らしに合うかどうか、という眼で土地を見ることにも段々長けてきます。

 

昨日はその点で、土地、家、人がぴったりとシンクロし、不便さが豊かさに転換された素敵な木想家。そのシンクロを味わう、心地よい時間でした。