木の長屋はいかが
〈めずらしく図面が登場。具体的な計画ではなく、イメージのご説明用に描くこともあるのです。〉
ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。
お盆休みを一週ずらす予定の私は、今日も芦屋の事務所で作業でした。なかなかこういうことはないのですが、今日はここにお出ししてもいい類の図面をつくっていたので、ご紹介しましょう。
いつも、きちんとCAD(パソコンでの製図)図面に起こす前に、私はこういうラフな手描きの絵をつくります。壁を黒で、窓を青で、ドアや引戸を赤で描きます。CAD図よりこっちの方が見やすい、という方も多かったりしますね。
今日のこの絵は、いまお付き合いをしているお客さまと、「木の家の長屋」の話をしているので、それって一体どんなものかを、私なりにイメージ図としてお見せするためのものなんです。
「長屋」というと平屋の感じ。そして長屋が2層に積み重なると、古い言い方ですが「文化住宅」とか「アパート」という感じ。あるいは「ハイツ」。一般的に、そういうイメージではないかと思います。
でも、2階建ての長屋というのも結構あります。木造の建築は、鉄筋コンクリートに比べて上下階の音の響きが気になりやすいので、上下に別の家が重なるより、横に並んでいくほうが合理的ですから。
そして、マンションのようにワンフロアである住戸よりも、この方が窓がたくさん付けられる。上下階それぞれに風通しを考慮することができます。戸建てとマンションの、ちょうど中間的な家ですね。
もちろん、いつもつくっている一戸建てほどの採光・通風は望めません。でも、賃貸住宅というカテゴリーで考えるなら、このような建物は充分に「有り」だと思うし、上手に間取りを考えれば、心地よく住める木の家になると思うんです。
と、いうようなこと、口でご説明していても、こういう建物をご覧になったことのない方には、なかなか伝わらない。ということで、例えばこんな長屋があったら、という絵をつくってお見せするのが一番早い、と考えた次第。
図面というものは、ラフスケッチであっても、具体的な計画案の場合は、お客さまの個人情報になります。よってこういうブログなどに載せるわけにはいきません。でも今日のは、私の勝手な説明用の絵なので。
勝手なイメージと言っても、色々考えて描いています。窓が少なくなっても、玄関は必ず1階にくる。それなら「家族の間」は2階のほうが風が抜けて気持ちいいのでは?とか、あまり単調な立面にならないように、とか。
戸建てよりもコンパクトに、初期投資を抑えてできる、賃貸住宅の「木の長屋」。たくさん建って、多くの人に木の家で暮らしてほしい、そう思うんです。お客さまに私のイメージがうまく伝わること、まずは願うばかりですね。