木を買ってみる

2014.10.19|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

木想家のふるさとを巡る阿蘇小国ツアー、今日は二日目です。昨日の製材所「小国ウッディ協同組合」さんよりも行程としては前になりますが、今日は立木の伐採と、その丸太の市場を見学しました。

 

小国町森林組合の方にお時間をいただき、山から出てきた木がそれぞれの製材所へと買われていく動き、その仕組をご説明いただきました。でも今回はそれだけではなくて、少し「実際にやってみる」があり、それがとても面白かったんです。

 

それは、貯木場に並んだ丸太を、製材所などの担当者の気持ちになって値付けをし、値段を提示するという「入札体験」だったんです。私もこれは初めての経験で、それはわからないなりにとても興味深く楽しいものでした。

 

冒頭の写真はその様子。右手前に私がもらった「入札票」があります。そして中央におられる黒い上着の方が森林組合の担当者さん。私と、そして周囲の皆さんも、この並んだ中のある一本の丸太に、値段を付けているんですよ。

 

値段を付けたら入札票に書いて渡すのですが、少しは相場というものを知っている私やスタッフとは違って、ご参加のお客さま方は、当然のことながらまったく値段の見当がつきません。非常にバラつきのある結果となりました。

 

実際のところ、山から出てきた丸太が一本どれくらいで買われるか、ご存じの方は非常に少ないと思います。地域によっても色々ですが、例えば小国杉の直径30センチ強、長さ4mの丸太は、だいたいどれくらいの値段だと思われますか?

 

答えを聞くと皆さんきっと驚かれると思いますが、一本あたりだいたい4000円前後にしかならないんです。しかも伐採の手間賃などを引いて、山主さんに入るのは、一本あたり1000円ほどだと言います。

 

森林組合の方からは、実際の入札体験のあと、参加者が入れた値段を紹介しながら、上記のような話を通じて「林業の今」をより正しく知ってもらいたい、という意図が感じられました。

 

戦後に植林された針葉樹がうまく用材として山から出ていき、またその後に植えるというサイクルが稼働していること、それが出来ている林産地は本当に少ないのです。小国町はその中のひとつです。

 

今回は「木の値段」というものを通じて、日本の林業が陥っている問題、その一部でも感じていただけたのではないかと思いますし、それは「木の家」のルーツをより正しく理解するという大きな意義があります。

 

「木を買ってみる」という模擬体験を通して、お客さま方にもそれが伝わればいいなあ。そして、とにかく少しでも「木の家」を増やしていくこと、そのことの森に対する役割の大きさが、伝わればいいなあ。

 

自分も「入札体験」を楽しみ、その本来の志事のたいへんさを想いながら、体験から感じられた実感がお客さまの家づくりをより実りあるものにしてくれること、それを確信できた気がした今日でした。