桃の節句に

2014.3.2|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

三月に入って、明日は雛祭りですね。KJWORKSのダイレクトメールに同封した「住まいの学校」のご案内も、もうお客さま方のもとへ届いているはず。今月の絵はやはり、雛祭りをテーマにしました。

 

まず、上の樹の枝と花はもちろん、桃の花です。お雛祭りは「桃の節句」ですからね。梅と桜の間の候に咲く、桃の花。とてもやさしい雰囲気をもつ花で、桜とは違い、葉が一緒に出ていますね。

 

そして、下の方は何だかお人形が描かれています。横にお題を書きましたが、これは「流し雛」。絵で伝わるかどうかわかりませんが、二つの流し雛が、水に浮かんで流れていく様子を描きました。

 

流し雛、皆さんご存知でしょうか。京都の下鴨神社で、毎年3月3日におこなわれる行事で、なんと平安時代から続いているという、由緒のあるものなんですよ。

 

下で船の役目をしているのは、藁を編んでつくった「桟俵(さんだわら)」です。紙人形をこれに乗せ、そして子どもの成長を願いつつ、御手洗川に流すというのが、「流し雛の儀」です。

 

本当はこの桟俵の中に、人形を押さえる棒が入るのですが、この絵では見た目を考え、割愛しました。白い顔、赤と金の華やかなべべを来た、可愛らしい紙人形。藁とのコントラストは、カラーでないのが残念な美しさですよ。

 

今は「お雛祭り」となっているこの桃の節句、元々は中国の「上巳節(じょうしせつ)」というものが始まりだといいます。上巳とは、3月の初めの巳の日という意味です。季節の変わり目であるこの頃には、災いとなる邪気が入りやすいと言われ、水辺で穢れを祓う風習があったとか。

 

この上巳節を日本に伝えたのは、あの遣唐使。「上巳の祓い」という宮中行事になって、紙や草で作った人形(ひとがた)で自分の体をなでて穢れを移し、川や海へ流す、ということが習慣になりました。

 

下鴨神社の「流し雛」、あるいは他の地方にも同様の風習が残るところもあるようですが、それらは、この「上巳の祓い」の名残なんです。その後、女の子たちの人形遊びと上巳の祓いが結びついて、ひな人形を流すようになったといいます。

 

3月3日が女の子の節句として広がったのは、武家社会になってからだそう。それが「桃の節供」と呼ばれるのは、単にその花の時期であるということだけでなく、桃の木が邪気を祓う神聖な木と考えられていたことも大きいようです。

 

ということで、今回のチラシの画題は、そういう「祓い」のシンボルを二つ採用した、ということなのでした。節句という季節の節目に、無病息災を願う人の心の表れ、その象徴だとも言えますね。

 

確かにこのところ、暖かくなったりまた冷え込んだりと、健康を害する「邪気」が多くなっていそうです。皆さま、桃の節句のシンボルにあやかって、くれぐれもご自愛のほどを!