桐の樹と木と

2015.1.14|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は午前中、長堀橋で打合せをしていました。久しぶりの大阪市内ということで、終わった後、すぐ近くにある「収納の巣」さんのショールームにお邪魔してきました。懇意にしてくださっている宇野さんに、遅めの新年ご挨拶を兼ねて。

 

長堀通から南下して瓦屋町のショールームまで歩く途中に、実はちょっと楽しみにしている光景があるんです。それは、毎年GWの頃に美しく花を咲かせる桐の樹。街なかには珍しい、大きな美しい樹でした。

 

初めてショールームに訪れたのは一昨年の5月初頭。その時、まさにたわわに咲き誇っていた薄紫の桐の花がとても印象深く、それは素晴らしかった。それ以来、収納の巣を訪れるとなると、まず真っ先に頭に浮かぶのです。

 

ところが、いつものように歩いてきて、あっと驚きました。何ということでしょう、あの樹が伐られてしまって、無い。私はしばらくそこで立っていたんです、口を開けて。

 

確かに隣の駐車場のフェンスを押し曲げるようにして伸びていたので、持ち主にとっては邪魔だったのかもしれません。でも、久しぶりやなあ、と思いながら訪れた私には、とてもショックだったのです。

 

お約束の時間を過ぎそうなので、内心「可哀想に、成仏しいや」と桐の樹に手を合わせつつ、すぐ近くのショールームへ到着。宇野さんが出てこられるのを待つ間、ちょっと模様替えした中の様子を眺めていて、思わずまた「あっ」と声が出ました。

 

そこに、桐の木で出来た家具があったんです。冒頭の写真の「桐シェルフ&桐チェスト」です。そう言えば今朝、宇野さんがFacebookで投稿しておられたなあ。でも、今日このタイミングか。

 

そう、私は一瞬、あの樹がこの家具になったような、そんな錯覚を覚えたのでした。無論そんなわけはないのですが、でも、今日の私にとってのあまりの偶然に。

 

動揺をちょっと抑えつつ、桐の家具を宇野さんに説明してもらいました。従来の桐箪笥よりもだいぶカジュアルに使う感じの家具ですね。引出も棚も大きめのスペースで、気軽に使う着物を重ねて収納するようなイメージになっているようです。

 

もちろん着物しか入らないわけではないので、桐の板の素晴らしい調湿性能をもちながら、着物だけでなく色んな衣類にも使えるサイズ、ということでしょう。なるほど、これはなかなか役立ちそうな家具です。

 

従来の高級な桐箪笥ではなく、こうした誰しもが使いやすい家具に桐の木が活かされるのはいいですね。宇野さんのお話を聞きながら、私は何故か、こう思ったのです。

 

「こういう家具でいっぱい使ってもらったら、あの樹も浮かばれるわ」と。