椅子をつくる要素

2015.3.18|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2015-03-18 18.50.07

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

KJWORKS阪神の無垢の木のテーブルの周りに置く椅子は、ひとつひとつ違ったものにするべく、少しずつ集めていっています。多くのお客さまが来られた時に対応するスタッキングチェアは3つありますが、でもこのテーブルの周りは、無垢の木の椅子で固めたいですから。

 

今まで3つの木の椅子がありました。カンディハウスさんの「ゴルファ」、「ウイングラックス」、宮崎椅子さんの「DC9」、どれもとても素敵な椅子です。そして今回、ようやく4つめが仲間入りしました。

 

それが冒頭の写真のもの。飛騨高山の無垢の木の家具メーカー、柏木工さんの「サイドチェア」です。ナラ材で出来た、とてもシンプルで可愛い感じのする一脚ですね。

 

椅子にも色んな種類があって、それぞれの種類にも呼び名があったりするのですが、このサイドチェアは「ウィンザーチェア」というタイプの椅子になります。このタイプの発祥は17世紀後半、イギリスなんですよ。

 

当時のイギリスのウィンザー地方で、町家や農家で使う実用的な椅子として作り始められたもの、とされているこのウィンザーチェア。その特徴は、「厚い座板に脚と細長い背棒、背板を直接接合する」という点にあります。

 

もう一度写真を見ると、座面という一枚の板に、上には背もたれを支える棒が、下には座面を支えている脚が、直接刺さっているのがおわかりいただけるでしょう。そんなんあたり前では?と思われた方は、身の回りの椅子をご覧下さい。そうでないモノの方が多いはずですから。

 

そのことが、非常にシンプルな見た目を実現し、そしてその意味合いが非常にわかりやすいのですね。この椅子はそのことから、現代デザインにおける「機能主義デザイン」の源流ともいわれています。

 

椅子を構成する要素はそんなに多くありません。いわゆるダイニングチェアと呼ばれる椅子の要素は、座面と脚、背もたれ、そして一部アームと呼ばれる肘置き、くらいのものです。

 

でも、それぞれをどのように組合せて、椅子という形をつくるのか。その答えは無数にあります。その無数の組合せの中からひとつのかたちを決めるのが、ダイニングチェアをデザインするということに他なりません。

 

このサイドチェアは、ウィンザーチェアが現代に続く中で、人間工学的要素が巧みに盛り込まれ、それがデザインの優しさにもなっています。座面は曲面になっていてお尻に吸い付くよう。背もたれも、それを支えるスポークも曲面で、またこれが背中に優しくフィットして心地いいんですよ。

 

KJWORKS阪神のテーブルまわりに揃った4つの無垢の木の椅子。どれもその構成要素の組合せは違っています。それをご来店のお客さまにお話し、座り比べていただくのもまた、店主の密かな楽しみと言っていいでしょう(笑)。