檀流にトライ
ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。
今日は午後からお休みをいただいて、のんびりと過ごさせていただきました。そして、この間からやってみたくてウズウズしていたこと、実行に移してみましたよ。
先日このブログでご紹介した、檀一雄の著書『檀流クッキング』。そこに紹介された、著者が世界中を放浪する中で身につけた料理たちと、痛快なその文章。自分もやってみたいという気持ちを掻き立てられ、その機会を伺っていたというわけなんです。
今日つくったのは、『檀流クッキング』では「バーソー」と片仮名で紹介されていた、台湾の料理。つくるにあたってちょっと調べてみると、これは「肉燥」と書くのだそうで、台湾の「肉そぼろ」のことです。
「大量のネギを、薬味のようにザルいっぱいぐらい切っておく」と始まるバーソーの文章。そしてこのネギを長い時間かけて炒めるのですが、その次の文章に私はノックアウトされたのです(笑)。
いわく、「ザルいっぱいのネギが手のひら一杯くらいになり、ネトネトととろけるようになり、その形もほとんどなくなってしまう。そこへ肉を入れ、ザブザブとひたるぐらいの醤油を入れ、少しばかり酒を入れ、よく煮詰めるのである」と。
こんな感じで「数量」のほとんど出てこない料理本ですが、でも実に美味しそうでしょう?今日は時間があるので、早速トライです。冒頭の写真は、これからネギを炒め始めるところです。
弱火で炒めること約1時間、分量も減り、形がなくなってきました。とてもいい匂いがしてきます。カレーをつくるのに玉葱をじっくり炒めたりしますが、それを同じですね。このネギが味のベースになっている。
豚ミンチを入れ、醤油と酒を入れ、ちょっとオイスターソースを加えたりして、煮詰めて出来上がりました。分量は適当ですが、うん、初めてにしては良い出来かな。
檀流クッキングには、時間をかけて煮込む、炒めるという方法、あるいは「漬け込む」という方法の料理が多く出てくるようです。いわゆる「モツ料理」もたくさん。そこに共通するのは「手間暇が味に変わる」楽しさだと思います。
前回の書評でも書きましたが、出来上がりの美味しさを想像しつつ、手間を重ねていく、その「つくる歓び」が檀流クッキングの文章には溢れていて、それが「やってみたいな」という気持ちを刺激するんですね。
素材そのままがよい料理、一手間かけてそれを活かす料理、そしてじっくりと手を加えて素材の別の面を引き出してくる料理。なんだか家づくりにも通じる話だなあ、と思いつつ、今日はその手間暇を楽しむことができた、よい時間だったのです。
ちなみに出来上がった肉燥、今日は 炸醤麺(ジャージャー麺)風にして美味しくいただきました。ネギのエキスがたっぷりのお味でした!