水の戯れ

2013.8.29|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

昨日は久しぶりに、自分自身のリフレッシュタイムをいただいておりました。日々の志事の中で溜まってくる思いを少し整理すべく、またこれからの自分のあり方についても、少し一人で考えてみたく。

 

前にも書きましたが、そんな時には、山の中へと車を走らせます。携帯電話の電波が通じない場所へ行き、しばし世間と隔絶した環境で、ひとときを過ごすためです。

 

そして、行く場所はたいてい、美しい川があるところ。ただ水の流れの音のみが聞こえ、時々鳥の声がするくらい。そんなところへ行くのが好きなんですね。私の一番の癒やしの時間なんです。

 

昨日も、ブログは事前に予約投稿しておいて、さる渓谷へと赴きました。いわゆる観光名所だと、平日でも他の来訪者がけっこういたりするので、今回はそういう場所は避け、他の人がいない、ただ自然とだけ一体になれる場所へ。

 

渓谷をしばらく岩伝いに入っていき、スボンを捲って浅瀬を歩き、そして、流れの中にある岩に腰を据えました。後は、ただしばらくその流れを楽しむ、それだけの時間です。

 

奥深い渓流には、両側に緑が覆いかぶさるように繁り、涼しく清冽な空気に溢れています。そしてその水は、夏とはいえ驚くほど冷たい。とても「泳いで遊ぶ」という感じではありません。

 

水が流れ、盛り上がり、流れ落ち、渦を巻く。それぞれの部分の形がとても美しく、しばし見惚れていました。「ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」ですね。そして耳には、その流れが生む心地良い音だけが響いています。

 

澄み切った水の色、その躍動を眺めていると、あるメロディが浮かんできます。私が好きな作曲家、モーリス・ラヴェルによる「水の戯れ」(みずのたわむれ  Jeux d’eau)という曲です。時は1901年、ラヴェルが26歳の時の作品ですね。

 

渓流とラヴェルのコラボレーションにすっかり癒やされて、だんだん頭と心がクリアになってきましたよ。そんな状況を楽しみながら、ぼんやりと考えごと。時間の感覚がなくなっていきます。

 

周囲が少し薄暗くなってきた頃、なんだか生まれ変わったような気分で、渓谷を後にしました。私の場合、時折こういう時間をもつことで、頭のなか、心のもちよう、ものの見方がリフレッシュされるように思います。

 

「心が洗われる」とは、こういうことを言うのかもしれませんね。これでまた、クリアな気持ちで、前を向いてしっかり走れそうです。美しい水の戯れに、感謝です。

 

※文中登場したラヴェルの曲にご興味がおありの方は、こちらをどうぞ。辻井伸行さんのピアノで、『水の戯れ』です。