水を逃すしくみ

2014.1.13|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2014-01-13 13.40.29

 

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今日は茨木市で現場進行中の木想家で、「お家の勉強会」が開催されました。これは、同じ現場を何回か「追っかけ」して学ぶセミナーで、今日の回は題して、「木の家の断熱を見る会」です。

 

KJWORKSの木想家に使われている断熱材は「セルローズファイバー」。これは古新聞の再生材料で、高い断熱性能に加えて、二つの優れた能力をもっています。その二つとは「吸音性」と「透湿性」なんです。

 

断熱材でありつつ、室内の音を跳ね返らせることなく吸音する素材であることも、今日は実験して確かめました。そして、その「透湿性」についても、しっかりと時間をかけてご説明をさせていただきました。

 

冒頭の写真は、その様子。黄色いスタジャンは、KJWORKSスタッフ、安本くんです。まだ断熱材が吹き込まれていない壁を指しつつ、透湿性をもつ素材を重ねることで「壁の中に入り込んだ湿気を建物の外に逃がす」仕組みについて、説明しています。

 

部屋の中の湿度が高くなると、断熱材の外側で、「結露」が生じやすくなります。結露とは、湿気を含んだ空気が冷えて、その中に居られなくなった水が、水滴となって現れることですね。

 

部屋の中から断熱材の内部に入り込んだ湿気は、その外側で冷えた時、水になってしまいやすいのです。水になってしまうと、柱や土台などの木の骨組みを腐らせる元になります。その前に壁の外に逃してあげる仕組みが非常に大事で、それが木の家を長持ちさせる秘訣、と言っても過言でないくらいなんですよ。

 

では、壁の中に入ってしまった湿気を、どうやって壁の外に逃すか。そのためには「呼吸する素材」を重ねていくことと、「湿気が逃げていく先の道」を設けることが、必須の条件です。

 

KJWORKSの木想家の場合、断熱材であるセルローズファイバーの外側には、耐力面材である「MOISS」が張られています。この素材も、湿気を通しやすい。そしてその外側には、ゴアテックスのような「透湿防水シート」が張られ、これが外壁の防水と湿気の排出を両立してくれます。

 

そしてその外側には、外壁の最下部から屋根まで続く「通気層」と呼ばれる空気の道が設けられています。家が出来上がったら、外壁の下にあるこの層は全く見えませんが、壁の中から湿気を排出する先として、とても大切な役割のものです。

 

セルローズファイバー、MOISS、透湿防水シート、そして通気層。「呼吸する家」という大きな考え方の元に、これらの素材を順に積み重ねて壁を構成してくことでこそ、壁や天井の中に入った水を逃がす仕組みが出来上がるというわけなんですね。

 

それは家ができてしまうと、全くその存在が見えなくなるもの。でも、そういう部分にこそ良い素材と丁寧な仕事を積み上げているのが、長持ちする良い家。私たちはそう考えています。

 

今日は「断熱を見る会」と称しつつ、断熱を含めた「家の外皮」がもつべき性能についてのお話となりました。でも、こういった説明こそ、進行中の現場でそれを見ながらお話することで、ようやくご理解いただける類のものですよね。

 

まさに「現場で学ぶ」ことの醍醐味が、お客さまに伝わっている。今日そういう感触を私はもちました。それは自分たちの行動が間違っていないということの、とても嬉しい成果ではありませんか。

 

出来上がったばかりの、綺麗だけどがらんどうの家の完成見学会よりも、出来ていく最中の現場で、そのつくり方について学ぶという見学会。そんな「お家の勉強会」は、今後も家づくりの具体的な方法論をしっかりとお伝えしていきますよ!