深い秋の紅(あか)

2014.11.2|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

今月号の「住まいの学校」のご案内チラシも、お客さまの元へ届いたことと思います。毎月、その時季に相応しいお題を選び、それを表すイラストを描いていますが、今回は「葡萄」をテーマにしてみたんですよ。

 

11月、葡萄とくれば、そこからつくられる飲み物を好まれる方には、答えはひとつですね。今年は11月20日だったかと思いますが、ボジョレー・ヌーボーの解禁が今月です。

 

ボジョレー・ヌーボーという新酒を珍重するという風潮には賛否色々とあるようですが、味には好みがあるとして、あの爽やかな色合いにはとても惹かれる私ですので、それを題材に選んでみた次第。

 

「秋の色」と聞いた時、たいていの人は紅葉の赤をイメージされるかと思います。私ももちろんその色が大好きですが、一方であの「朱」と書く赤とは違った、「紅」と書く赤も、同じく秋の色だと感じます。

 

それは、例えば蔦の葉が色づいた、その赤です。横文字で言えばワインレッド、ですね。その色のイメージから、今回のイラストを思いつきました。ボジョレー・ヌーボーの入ったグラスと、そのコルク栓を。

 

そして上部には、実を収穫した後の葡萄の葉を描きました。葡萄の葉が徐々に赤やワインレッドに染まっていき、そして段々と緑の色を失い、水気を失って、枯れていく。その途中の姿は、なんとも言えない複雑な色味をもつ美しさなのです。

 

その色と、その葡萄の実から出来た紅色の飲みもの。それを、同じ色に染まりつつ枯れていく葡萄畑で飲んでいる、そんなイメージなんですね。拙いイラストで申し訳ありませんが、このモノクロの絵から、少しはその色彩を感じていただけるでしょうか?

 

色の濃いものをモノクロで描くというのは、やってみてとても難しい。ましてや赤ワインの入ったガラスの器を描く、というのは、私のような素人にはかなり高度でしたが、その色の魅力を思い浮かべつつ、楽しく描けました。

 

徐々に秋も深まり、巷には段々と朱や紅の彩りが溢れてきます。少し先取りですが、その色合いをこのモノクロの画面から感じていただければ、描き手としてはとても嬉しいことです。

 

自然界が冬の「茶色と灰色の世界」へと移行する前のひととき、黄、朱、紅と、鮮やかな色味が出現します。それが秋なんですね。その時期を今年も、少しでも長く楽しみたいものだと思っています。