燃えぬけない家

2015.6.25|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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〈準防火地域ばかりの東京でも、こんな木の家が出来る。そんな学びをしっかりと得てきました。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

お江戸の2日目、今日は午前中にお客さまと打合せをし、午後から今回のメイン、「木造準耐火の新潮流」という講座を聴きに行ってきました。場所は秋葉原、4時間みっちりの学びでしたよ。

 

「木造準耐火」とは何か、ということを詳細に説明するとこのブログ2回分にはなるので割愛いたしますが、簡単に言うと、コンクリート造などの「耐火構造」に準ずるレベルにまで木造住宅の耐火性能を上げる、という話です。

 

しかし、その準耐火構造というものをきちんと理解していれば、耐火性能が高く、なおかつ美しく素材を表した「木の家」ができる。冒頭の写真のような、伝統的な木造家屋の姿をした家が。

 

写真の家はKJWORKSの木想家ではなく、今日の講師の方々が設計と施工をされた家です。一般の方にはちょっと伝わらないかもしれませんが、「準防火地域」という建築に耐火性能を求める地域にこの家があるというのは、我々プロには衝撃なんですね。

 

こういうことを自分も実現するためには、2つのことをしっかりと理解する必要がある。それをインプットするために私は東京にやってきました。その2つとは、「耐火性能の規定が求めるものの正しい理解」、そして「木材のもつ耐火性能の正しい理解」です。

 

建築の防災設計というものの中で、建築基準法、消防法などの法令、そしてさまざまな告示などは、火災と建築、というものの関係について一体何を定め、何を求めているのか。そこを知らないとよき方法論は生まれない、というわけですね。

 

今日の講師のお一人、安田さんは、実際にそういった法令関係、防火製品の大臣認定関係の実験などに関わっておられる人物ですから、そのご説明は非常にわかりやすく、説得力があるんです。

 

安田さんの今日のお話の一番のポイントは、こういうことだと思います。ひとつは「家の中での火災 → 火元周りの仕上不燃化(内装制限) → 避難安全の確保」。これは「燃えないこと」だと言えるでしょう。

 

そしてもうひとつは「隣家の火災 → 防火構造、準耐火構造(耐火性能) → 延焼防止、市街地火災防止」という思考。これは言うなれば、燃え移って次に燃え移ることの防止ですね。

 

火が燃え移って、壁や構造を抜けて次の空間に火がまわる。これが非常に怖いのです、火災拡大という意味で。こういうことを、建築防災の用語では「燃え抜ける」といいます。この燃え抜けることを防ぐための方策が準耐火構造の本質である、と。

 

そして、木材は皆が思う以上に燃え抜けないし、反対側が燃えていても、裏側は熱くない。法令、規定の本質を知り、なおかつそういう優れた性能を上手に活用することで、写真のような準耐火構造の木の家が実現する。それがとても腑に落ちました。

 

大阪府でも、大阪市以外にどんどんと「準防火地域」が広がり、準耐火構造が住宅に求められるようになっています。そんな今、条文のうわべだけでない本質をきちんと理解出来た時間は、非常に意義深かったです。

 

そしてまた、これからそれを「暮らしの実現」に組み込むことが出来る。そのことに今、とても心の充実を感じる次第です。