画家のいた市場

2014.1.20|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

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ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

先日のお休みに行った京都散策から、もうひとつ面白い体験をご紹介させてください。四条河原町から三条方面へ歩く途中で、東西に走る長い商店街に遭遇しました。冒頭の写真がそれです。

 

こんなところに商店街があるんや、と思った直後、あちこちに下がる垂れ幕の「錦」の文字で気づきました。あ、ここが錦市場か!「京の台所」と呼ばれる市場ですね。でも、私は初めてで、その場所すら今まで知りませんでした。

 

まさに通りがかりでしたが、これは見て行かない手はないですよね。時間があるのをよいことに、早速その東の端である寺町通りから、西の端、高倉通りまで、ずっと歩いてみたんです。市場を歩くのも、これまた楽しいものですから。

 

いやあ、本当に色んなお店が並んでいます。魚屋さんが多いようですが、野菜、乾物、漬物などなど、たくさんのお店が軒を連ね、これまたたくさんのお客さまで賑わっています。地元の方も多いのでしょうが、いまやずいぶん名前が通っていますから、観光客の方も多いようでした。

 

物販のお店が大半ですが、ちょこちょこと飲食のお店もあり、たこ焼きなどのテイクアウトのお店もちらほら。市場の賑わいに身をあずける感じで、ゆっくりと錦市場の横断をしていると、段々暗くなってきましたよ。

 

そろそろ帰ろうかな、と思っていたら、西の端である高倉通りに着くところで、ある看板を見つけました。これです。

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おお、伊藤若冲!私の大好きな、江戸中期の画家です。若冲生家跡、とありますね。若冲が青物問屋であったということは知っていましたが、そうか、ここ錦に彼の店があったんだ!

 

そういえば、商店街に飾られた垂れ幕などにも、若冲の絵があしらわれていました。いやあ、自分の好きな画家が居た場所に思いがけず出会えて、驚きと嬉しさで、ちょっと気分がハイになってしまいますね。

 

彼の作品には、たくさんの魚たち、たくさんの野菜たちがひしめき合うように登場するものが多くあります。野菜だけで描かれた「涅槃図(ねはんず)」もあるほど。きっとそれらの作品群の着想は、ここ錦市場で生まれたものなんだなあ。そういうことが、市場を見まわった後の私には、とても腑に落ちて感じられたのでした。

 

なお、非常に気分を良くした勢いで、この看板のすぐそば、牡蠣専門店「錦 大安」さんの店の奥にある居酒屋さんで、牡蠣を肴に美味しいお酒と洒落込んでしまいました(笑)。

 

好きな画家のルーツを知るという、私にとってのすごい発見の後だけに、そのすぐ横での一杯は、なんだか若冲の息吹を感じられるような気がして、まさに格別だったのです。