異郷の先輩

2013.9.11|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS、木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

実は昨日の夜から、鹿児島県に出張に来ております。いま日本一と呼ばれる工務店は、実は鹿児島にあるのですよ。その家づくりに学ぶという研修に参加しているんですね。

 

この研修、実は今日の午後からスタートだったのですが、LCCと呼ばれる格安航空会社の便の時間が会わず、昨夜からの鹿児島入りとなった次第。それでもまだ安いというのが恐ろしいですが…。

 

ということで、実は今日の午前中はフリータイムと相成りました。鹿児島空港周辺で、半日を有効に使えるような観光名所?なかなか難しい話ですが、いろいろ調べていると、ちょっと面白い場所が近くにあることを知りました。

 

早速そこへ、空港からバスで向かいます。行き先は冒頭の写真の通り。ここは、鹿児島県で最も古いという木造の駅舎「嘉例川駅(かれいがわえき)」なのです。

 

肥薩線という路線にこの駅が建てられたのは、明治の御世のこと。今年でなんと築108年を数える、しかもまだ現役の駅舎なのですよ。冒頭の写真に、駅についた列車が写っていますでしょう?

 

列車が来るのが一時間に2本くらい。自然に囲まれたとても空気のいい環境に、駅舎はのんびりと佇んでいました。無人駅ですので、ホームにも入らせていただいて、私もしばしそこでのんびりとした時間を過ごしてきたんです。

 

人に「働く建物」というのは、住まいとまた違った性格を持つものです。中でも駅舎という建築は、旅情という特別な想いと繋がるものであり、出会いや別れといった人の思い出の舞台ともなる場所ですから、他とは違う魅力に溢れている。私などはそう感じますね。

 

この嘉例川駅も、その歴史の中で、いったいどれだけの数の人の心に、その姿を思い出というかたちで刻みつけてきたのでしょうか。そんなことを駅舎の中に座って想像していると、この建物の価値の重さ、その計り知れなさが、なおさら痛感されます。

 

古い駅に、今日もその駅を使っている方々と一緒に座って、その働きぶりを見つつ、その長い長い仕事の歴史に思いを馳せる。私にとっては、とても有意義な時間でした。

 

ほんの数時間の短い間でしたが、やはり時の試練に耐えた建物には、風格というものが備わってきています。同じように長く住める家を提供することを目的とするものとして、実際にその道の先達から学ぶことは、非常に大きい。

 

どうもありがとう、これからも頑張ってと呟いて、こんな大阪から遠く離れた地で出会った、異郷の先輩に別れを告げ、午後の研修に向けて鹿児島空港へと向かった私だったのでした。