空へと抜けて

2017.7.21|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

〈小さな部屋に大きな効果、それが天窓の強みです。〉

 

ご愛読、ありがとうございます。木の家づくり・暮らしのプロデューサー、山口です。

 

今、いくつかの木の家・木の建物をお客さまにご提案しています。今日ふと、それらの提案に共通して設けた開口部があることに気づきました。土地の条件によって私の提案に登場するもの、それは天窓です。

 

天窓、あるいはトップライトとも言いますが、要するに外壁ではなくて屋根に設けられた窓のこと。そしてこの言葉を聞いて私の頭に真っ先に浮かぶのが、今日の冒頭の写真の木の家。天窓のある玄関ですね。

 

この玄関、左右の壁は全て壁面収納になっていて窓はありません。また、玄関ドアもお客さまのお好みとして窓のないタイプ。ドア横の縦長の明かり採り窓だけでは足りないので、天窓の登場となりました。

 

どうでしょう、天窓がひとつあるだけで、すごく明るくなっていますね。そしてもうひとつ、窓の面積のわりに大きな開放感がこの空間にもたらされている。その2つがまさに、私の考える天窓の効果です。

 

しかし、天窓は外壁につく窓とは違って、最初の間取りづくりの段階から想定をしておかないと、設けられません。この写真の玄関も、上に2階の部屋があったら天窓は採れませんね。下屋である必要がある。

 

また、天窓の設置には方位もよくよく考慮しておかないといけません。南側の屋根に天窓があったら、冬は良いでしょうが、今のような暑い季節には非常に熱を室内にもちこむことになってしまいますから。

 

ですから、できれば北側の屋根にあったほうが良いと言えるでしょう。あるいは周囲の建物状況から考えて、あまり日当たりが良くない場所などにも。暗いところを明るくするのには、大いに効果があるので。

 

天窓で星を見たいというご希望で、子供部屋の屋根に設置したこともあったなあ。ただ、そういう場合は別として、普通は透明なガラスを使わないほうが賢明です。壁に付く窓よりもガラスが汚れやすいですから。

 

開閉できるタイプと出来ないはめ殺しタイプとがあり、内側にロールスクリーンがあったり、あるいは2枚の硝子の間に内蔵ブラインドが付いているタイプなどもあります。設ける用途によって選べますね。

 

また、今ご提案している建物もそうですが、屋外の天窓、というのもあり得ます。具体的には、玄関ポーチの屋根が大きくて北側にあると暗くなりがち、ということへの対策だったりします。これも効果的ですよ。

 

設置には色々知恵が必要ですが、間取りをつくっている時「ここに天窓があったら気持ちいいなあ」なんて考えるのは楽しい。空へと抜けていくような開放感を、特に小さな部屋に強くもたらしてくれますから。

 

あ、つい天窓論になってしまった(笑)。でも、間取りで考えた天窓がその空間に明るさと抜けを実現してくれると、非常に嬉しいもの。そんな想いを込めた間取り提案がお客さまに響くこと、願うばかりですね。