美しい蕎麦

2012.10.10|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

今日は趣向を変えて、先日東京へ行った時にいただいた「美しい食べ物」をご紹介しましょう。写真がそれ、芝大門にある「更科布屋(さらしなぬのや)」の「三色蕎麦」であります。

 

こちらの創業は、なんと寛政三年(1791年)。220年を数える老舗中の老舗なんですね。そして、更科伝統の蕎麦がこの、手前にある真っ白なお蕎麦です。

 

東京で美味しい蕎麦を食べると、あの黒いつぶつぶのない蕎麦がよく出て、見慣れない関西人は「これ、蕎麦?」なんて驚いたりしますが、あれが江戸蕎麦、蕎麦の実の皮は挽かない、白い蕎麦なんですね。

 

中でもこの更科系の店は、蕎麦の実の中心の部分だけを使った粉で、このような特に真っ白な蕎麦をつくってきたのだそうです。味はまさに「上品」そのものです。

 

そして、更科のもうひとつの伝統が、色のついた「変わりそば」です。白い蕎麦に素材を練り込み、色のついた蕎麦を打つ。この三色蕎麦、何とも美しいではありませんか。食べるのがもったいないですね。

 

しかも、この変わりそばは月替わりになっているそうで、お店にも12の変わりそばメニューが書いてありました。10月は「菊切り」。菊の花のお蕎麦です。「~切り」という言い方のようで、3月は「桜切り」。桜色のお蕎麦なんですね。これには驚きました。

 

江戸蕎麦には古くから「藪」「砂場」「更科」という三つの大きな蕎麦屋の系統があり、それぞれに違った趣きの蕎麦をつくっているといいます。私は藪では食べたことがあり、確かに更科とは全く違う、味の濃い、からい汁の蕎麦でしたね。

 

蕎麦好きにはたまらない、江戸蕎麦の魅力。今回、更科の味を堪能しましたので、次回東京では、砂場系の店に行ってみましょう。これもまた、旅の楽しみであります!