自分でやる、自分で選ぶ

2012.12.11|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

 

ご愛読、ありがとうございます。KJワークス・木の家の設計士、山口です。

 

今日も昨日に引き続き、愛知方面での視察セミナーでした。今日はまた昨日と違う3つの企業さんを見学させていただき、経営者の方の話も聞くことができたんです。

 

冒頭の写真は今日の訪問先のひとつ、「タンポポ温泉一宮デイサービス」の建物内部です。何とも広い、体育館のような場所でした。

 

デイサービスというのは日帰りの老人ホームのことです。一般的な場合、その利用者の数は日に10~20人くらいだそうですが、ここは実にその10倍、1日に200人近い利用者があるといいます。まさに桁違いの集客力をもつ、トップ施設なんですね。

 

介護施設というと、「お年寄りに◯◯して差し上げる」ということがサービスとして考えられがちですが、この施設では全く違います。「自分でしてもらう」こと、そして「自分で選んでもらう」ことを最優先に運営されているんです。

 

自分ですること、自分自身で考え、動くことは、結果的にリハビリテーションの効果を生みます。頭を使う意味でも、体を使う意味でも。

 

写真の2階、吹抜け周りにぐるりと設けられている通路は「歩行訓練場」として使われていて、ぐるぐると周回コースを歩いて回ることが、大きなリハビリ効果を生んでいるのだそうですよ。

 

また、自分で選んでもらう、とはあたり前のことと感じますが、それは私たちが要介護の老人ではないからです。健常者ならあたり前にもっている「選択の自由」は、介護施設では非常にその幅が狭められていて、それは人の尊厳が奪われていることに他ならないのですね。

 

「お年寄りに◯◯して差し上げる」ことが、さらにその方の身体能力を衰えさせ、しかも選択の自由という人間らしさをも阻害してしまっている。そんな反省から、この「タンポポ温泉一宮デイサービス」では、このようなある意味放任主義的な考え方にたどりついたのだそうです。

 

自分でやる、自分で選ぶ。ヘルパーさんに頼らず努力し、また楽しげに今日の行動メニューを選んでいるお年寄りたちは、「やらされている感」のない、活き活きとした姿に見えました。

 

歳をとっても、要介護になっても、やはり人間らしく生きる。その権利を謳歌しておられるが故の輝きに、私には感じられたのでした。