計画と無計画のあいだ

2014.1.12|カテゴリー「日々の思い」|投稿者 山口敏広

2014-01-12 17.14.44

『計画と無計画のあいだ』  三島邦弘 著  河出書房新社

 

ご愛読、ありがとうございます。KJWORKS・木の家のくらしプロデューサー、山口です。

 

この本を手に取る前、『小商いのすすめ』という本を読んでいたんです(またここに上げるかもしれません)。その本の表紙と背表紙には、ちょっと変わった丸いロゴマークがあって、「ミシマ」という文字が人の顔のように並んでいました。そして出版社は「ミシマ社」という、聞いたことのないところ。

 

本の表紙に、出版社のロゴマークが入っている。なんだか変わっているなあ、と思っていたら、本文中にもこのミシマ社という出版社と、その社長が書いた本のことが出てきたので、びっくり。

 

その本というのが、この『計画と無計画のあいだ』でした。「小商い」のよき事例として挙げられていて、すごく興味をひかれて早速ゲットした次第。小商いの事例であるからには、新しい小さな出版社の話だろうと思ったんです。

 

果たして本書はその通りのものでした。社長は出版時に36歳。「原点回帰」を旗印に掲げて、新しくできた小さな出版社。「読者と直接つながる」を目指して進む、丸いロゴマークの出版社、ミシマ社の物語でした。

 

タイトルも、どこかで聞いたことあるな、と思ったんです。本書のあとがきにも出てきますが、それは、5年前にこのブログに書いた、福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』でした。福岡氏に許可を得てのもじりタイトルのようですね。

 

出版社を新しくつくる。私には正直「そんなことできるん?」という感じのことに思われました。それもあって興味をそそられたわけですが、やはり本書にも、新規参入が異常なまでに難しいと言われる出版業界について多くが述べられています。

 

総売上高が減少傾向にある中での「出版流通」というものの壁。それを打破し、読者に本を届けるためのミシマ社の奮闘、その日々を綴った本書は、本を愛する者としての私に、一種の感動と、爽快感を与えてくれました。

 

本書は、文中の言葉を借りるなら、「絶対にそうするほうがいい、と誰もが思っていることが起こらないのはなぜか?」に立ち向かう者の物語だと言えるでしょう。

 

「計画と無計画のあいだ」に広がるもの、それは大いなる「自由」です。それを追いかけるミシマ社のメンバーたちの軌跡に、読むとチカラが湧くこと請け合いの一冊なのです。